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株価のモノサシ「PER」 割安・割高の参考に

7/15(月) 7:47配信

NIKKEI STYLE

米中貿易摩擦の行方を巡って株式相場は不安定な展開が続く。世界景気の減速懸念から日本企業の業績見通しにも暗雲が漂う。不透明な環境下だからこそ基本に立ち返り、世界の株式に共通するモノサシ「PER」について知っておこう。
PER(株価収益率)は株価が割高か割安かを判断する目安としてプロも利用する指標だ。Price Earnings Ratioの略で株価を1株当たり利益で割って求める(図A)。

■予想数値で計算

株価は将来の業績を織り込みながら動くので、1株利益は過去の実績値ではなく、会社予想ベースの数値を用いるのが一般的。予想PERともいう。倍率が高いほど業績との見合いで株価は割高、倍率が低いほど割安と考える。
PERの水準は企業や業種によってまちまちだ。業種が違えば事業モデルや業績の変動要因は異なり、投資家が期待する利益水準や成長性も変わる。このため業種が同じで事業モデルが近い企業の間でPERを比べて判断するのが大原則だ。
業種別のPERを見るとバラツキが大きい(表B)。倍率が著しく低いか高い場合は要注意だ。最下位の「石油」は平均5倍台。投資家が先行きの業績がしぼむ、あるいはぶれが大きいとみて買いを手控えている可能性がある。

個別銘柄では出光興産、JXTGホールディングスはPERがともに5倍台。これらの企業は原油価格の動向で在庫の評価益が変動しやすい。イラン情勢などを巡り市況を読みにくいことも投資手控えにつながっている。

マイナス金利政策の導入後、構造不況に陥っている「銀行」もPERが平均8倍台と低迷が続く。個別銘柄ではみずほフィナンシャルグループが8倍台だ。利ざや縮小や融資先の先細りから、PERが低いからといって株価が単純に割安とは言えない状態だ。
反対に業種別PERが高いのが「医薬品」。平均で40倍を超える。景気動向に左右されにくい収益構造を投資家は評価。将来、利益水準が伸びると期待して先回り買いしている可能性も考えられる。
第一三共は新薬の開発・販売で英製薬大手と提携すると3月29日に発表し、株価は2営業日で25%上昇した。会社発表の予想1株利益に大きな変化はないが、新薬の効果で中長期で利益が伸びるとの見方からPERは一時60倍台に上昇。さらに買うには新たな強材料が必要な水準になりつつある。
このほか新しい市場を開拓する企業はPERが100倍を超えることもある。人工知能(AI)開発のPKSHA Technology(パークシャテクノロジー)や、カード決済代行のGMOペイメントゲートウェイなどだ。
PERはその企業の「過去の水準と比べて割安・割高をみる使い方もある」(松井証券の窪田朋一郎氏)。例えば三井不動産のPERは5年前に30倍台後半だったのが現在は15倍近辺。この間、事業モデルがほぼ変わらない点を考慮すると現在の水準は割安といえる。ソフトバンクグループのように事業構造が変化しやすい銘柄は過去との比較は難しい点も覚えておきたい。
短期の業績見通しもPERを左右する。ファナックは工場自動化関連で顧客の設備投資需要が弱まるとして20年3月期に6割減益となるとの予想を発表。PERは60倍台と9年ぶりの水準に上昇した。

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最終更新:7/15(月) 12:15
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