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馬車は走る――投手コーチの思いを乗せて/FOR REAL - in progress -

7/15(月) 17:21配信

週刊ベースボールONLINE

優勝を目指して戦う横浜DeNAベイスターズ。その裏側では何が起こっているのか。“in progress”=“現在進行形”の名の通り、チームの真実の姿をリアルタイムで描く、もう一つの「FOR REAL」。

 コーチとは、もとは“馬車”を意味する言葉だ。

 ベイスターズの投手陣は、2台の馬車に分乗して、143試合を駆け抜ける。

 三浦大輔が御する馬車には先発投手が、木塚敦志が率いる馬車には救援陣が、肩を寄せ合い乗り込んで、時に奮い立たせ合いながら、山あり谷ありの道を駆け抜けていく。

 今シーズン、専任の投手コーチとして1年目の三浦は、最高のスタートを切ることができた。前半戦のベストゲームを問われ、こう述べた。

「いちばん印象に残っているのは、やっぱり開幕戦の今永(昇太)のピッチング。すばらしい投球をしてくれましたし、チームに与えた影響はかなり大きかった」

 ドラゴンズを相手に、8回120球、11三振を奪う左腕の好投。馬の蹄は心地いい音を立てて石の路面を蹴り、車輪はスムーズに回り始めた。

「全員でひっくり返された」

 いななきとともに馬が足を止めるのは、開幕2カード目のスワローズ戦だ。木塚の馬車がぬかるみにはまった。

 4月2日、1点リードの8回に4点を失い逆転負け。翌3日も8回に3点差を追いつかれ、9回サヨナラ負け。2夜連続、痛恨の敗戦だった。

 自身、眠れぬ夜を過ごしたという木塚が、当時の状況を振り返る。

「誰っていうわけじゃなく、全員でひっくり返されたゲーム。一個取れたアウトがあれば変わっていたよなと思う部分もあるし、そういう歯車の微妙にずれたしわ寄せが最後のほう(のピッチャー)に行ってしまった部分もあるし……。個々の投手を見ると、この2~3年のシーズンに比べて“誤差”があるというのかな。いままでと違った感覚を受け入れながらの“よーいドン”になったんじゃないかなと思いますね」

 このボールをここに投げておけば。
 この打者にはこういう攻め方をしておけば。

 経験値に基づく投球が、しかし予想と異なる結果につながる。木塚の言う“誤差”を最も強く体感したのは、砂田毅樹だったかもしれない。

 2017年は62試合、2018年は70試合に登板。タフなメンタルを持つ若い左腕は過去、厳しい局面を幾度も切り抜けてきた。
 だが、今シーズンはなかなか調子が上がらなかった。期待を背に駆け上がったマウンドを、悔しさを噛み締めながら降りたことは一度ではない。

 6月13日に今シーズン2度目の登録抹消となった砂田について、木塚は言う。

「同じリーグで対戦する好打者、左打者ってことになれば、もう2周、3周とやってるわけで。その中での勝負の仕方に、自分本位のところが比率としていくらかはあったのかもしれません。じゃんけんでいえば、何を出すべきなのかというところで苦しんだんじゃないか」

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最終更新:7/16(火) 19:14
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