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五感を使う!近未来のスポーツ観戦

7/15(月) 12:12配信

Wedge

 2020年東京オリンピック・パラリンピック開催まであと1年余り。今、世間はそのチケットの抽選をめぐる話題で持ちきりだ。

 4年に一度の、しかも前回の日本開催が56年も前なわけで、この先地元でオリンピックを生で観戦しようと思えば果してそれまで生きているのかはあやしく、だからこそ“千載一遇”のチャンスをと、チケット争奪戦がヒートアップする。無理もないことだ。

 実は、たとえオリンピックの競技会場に入場できなくても十二分にスポーツの醍醐味を楽しめるテクノロジーの開発が進んでいる。実用化も見え始めており、オリンピックを楽しもうと思えば、チケットだけに眼の色を変えずに済みそうなのだ。

 NTTは超高臨場感通信技術をはじめとして、動くディスプレイロボットや音や触覚など視覚に頼らないインクルーシブな体感など、同社が持つ最先端技術を活用したスポーツ観戦の再創造に取り組んでいる。

 「スポーツには従来の映像では捉えきれないダイナミズムがあり、スタジアムに立つアスリートにしか知りえない感覚がある。競技や試合、観る人によってもそれぞれ異なる魅力があり、それらの多様な現実を四角い映像の枠を超えて伝えることができたら」

 このような未知なるスポーツ観戦の可能性を見据えてチャレンジを続けているのだ。

 たとえば、その一つがリアルタイムに選手映像を切り出す“被写体抽出技術”だ。

 実際に試合をしている選手を背景映像や音響など空間をまるごと抽出して転送することで、離れた場所にいてもあたかも目の前で選手がプレーしているかの高い臨場感を体験できるのである。実際に卓球を材料に試してみたが、これならば確かに会場の隅っこから豆粒の選手やその動きを生で観戦しているという自己満足よりも、リアルに楽しめて臨場感も味わうことができる。

音や触覚で“観戦”、映像との組み合わせも

 四角の面で捉えてきた観戦の常識を打ち破る技術もある。複数台の4Kカメラの映像をシームレスに合成する技術により、8Kを超える高精細かつ超ワイド映像が実現できるのだ。実際の観客席から観戦しているかのようで、とりわけヨットの観戦体験においては視野が横長の超ワイドに及ぶので実に迫力あるサラウンド映像を楽しむことができた。

 他、スポーツは視覚だけで楽しむものではないことを教えられたのが、空間の任意の場所に音場を作り出す技術を用いた音によるスポーツ観戦の創造だ。視覚障がいをもつ選手同士がボールを投げ合い、音を頼りにゴールを守る「ゴールボール」での観戦体験をしたが、音響空間が再現された中でのボールがダイナミックに移動する音や選手が機敏に反応する音など、視覚にまったく頼ることのないゴールボール選手の感覚に寄り添うことで、スポーツパフォーマンスにおける聴覚の重要性をあらためて認識させられた。と同時に、人間の可能性も教えられた。

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最終更新:7/15(月) 12:12
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