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スーパー銭湯「極楽湯」は中国でも通用するのか

7/15(月) 5:00配信

東洋経済オンライン

 大きな浴場に日替わり風呂やサウナ、お風呂から出れば岩盤浴にマッサージ。日本食が食べられる食事処やサロン――。上の写真は一見すると日本のどこにでも存在する大型スパ施設に見えるが、実はこの施設、極楽湯ホールディングス(HD)が今年1月に中国・長春に出した最新店舗なのだ。

【グラフ】極楽湯の業績はどうなっている?

■“日本流”で上海の温泉を変えた

 極楽湯HDは6月時点で国内40店を展開する銭湯業界の最大手。海外では中国で直営4店、フランチャイズ4店を展開している。2013年に中国・上海に1号店を出店しており、日本の温浴施設を現地に持ち込んだパイオニア的存在だ。

 上海1号店は、あたかも日本のスパ施設にいるかのように過ごせるのが大きな売りで、現地の口コミサイトでも高い評価を受けている。敷地面積こそ、日本の平均的な極楽湯の6倍の広さを誇るが、基本的にはあえて“日本流”を貫くことが現地での差別化になっている。

 代表例の1つがスリッパをなくしたこと。それまで上海の温浴施設は、スリッパがあるのが当たり前だった。それは脱衣所などでも客が唾を吐くため、床が恒常的に汚れていたからだ。「唾を吐かせないために、そもそもスリッパをなくせばよい」という発想の下、極楽湯では不衛生な状況を変えることができたという。

 また、中国の水道水は硬水のため「シャンプーをする際に泡立ちがよくない」とされる。この点を改善すべく、中国の極楽湯では、硬水を軟水に変える設備を導入。細部へのこだわりを武器に中国の極楽湯は、現地の人の心をつかんでいるようだ。こうした小さな取り組みを重ねることで、上海店は年間38万人が来場する人気店に成長した。

 極楽湯が中国に進出することになったきっかけはリーマンショックだ。極楽湯HDは2008年まで順調に売り上げを伸ばしていたが、国内の不景気による閉塞感、温浴施設の飽和状態などで伸びが鈍化。「このまま国内で本当に儲かるのか、社内で議論になった」(極楽湯HDの鈴木正守CFO)。そこで目をつけたのが、もともと出店の誘いがあった中国だった。

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最終更新:7/15(月) 5:00
東洋経済オンライン

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