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ジャニー喜多川氏は日本一優秀な採用担当者だった ジャニーズを支えた「育てる力」

7/15(月) 7:31配信

デイリー新潮

ドラッカーとの類似性

 もちろん、ここで言う「顔」は単なるルックスではなく、象徴的な意味で使った言葉だろう。では、どこを見れば「20年後の顔」が見えるというのだろう。

「ジュニアのオーディションでは、ダンス審査があるので、ダンスの技術を見ていると思いきや、どうやらそうではないようです。ジャニー喜多川はジュニアの選抜基準を自身でこう語っています。

『踊りのうまい下手は関係ない。うまく踊れるなら、レッスンに出る必要がないでしょう。それよりも、人間性。やる気があって、人間的にすばらしければ、誰でもいいんです(※2)』

 天下のジャニーズ事務所の選抜基準が“やる気”と“人間的にすばらしい”だけで、『誰でもいい』とは驚きです。一般企業では、採用基準に『コミュニケーション能力が高く、創造性があり……』などと細かく条件をつけるところもある中で、これは一見、曖昧な基準にも思えます。しかし実は、こうしたジャニーの選抜基準と『経営の神様』と呼ばれるドラッカーの説く組織論は驚くほど一致するのです。

 ドラッカーはその著書『マネジメント』で、『人事に関わる決定は、真摯さこと唯一絶対の条件』といい、『真摯さを絶対視して初めてまともな組織といえる』とまで言っています。これはまさにジャニー喜多川の言う『人間的にすばらしい』と同じで、それがあれば『誰でもいい』というのも、真摯さの絶対視に他ならないでしょう。ちなみに、基本的には人をクビにしないことまでドラッカーと一緒です」

人間性をどう見抜くか

「重要なのは、人を見て態度を変えないこと。例えば、後にTOKIOのメンバーとなる松岡昌宏。オーディション当時11歳の彼は、ふてぶてしいほどにリラックスしていたといいます。しかし松岡は、他の子たちが目の前にいる大人がジャニー喜多川だと気づいた瞬間に、姿勢を正したりする中、態度を全く変えませんでした。それを、ジャニー喜多川は見逃さなかったのです。

『人を見て、態度を変えるような子は駄目なんです。どこにいても子供は自然じゃなきゃいけない』(※1)」。

 このように、まずはジュニアの選抜の段階で、やる気と人間性をジャッジしているのです」

 もちろん、ジュニアになることはスタートにすぎない。では、その先でジャニー氏は何を見ていたのか。それについては次回に譲ろう。

※1 TBS「A-Studio」(2019年4月5日放送)
※2 「Views」(1995年8月号)

デイリー新潮編集部

2019年7月14日 掲載

新潮社

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最終更新:7/15(月) 9:41
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