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『アベノミクスによろしく』の明石順平が斬る「老後2000万円不足」問題

7/15(月) 6:40配信

週プレNEWS

「平均的な家計では、年金以外で2000万円の蓄えがなければ、老後の生活費が不足する」という試算を盛り込んだ、金融庁金融審議会の報告書が波紋を呼んでいる。今月の参議院選挙での争点化を避けるかのように、麻生太郎副総理兼金融担当相は、この報告書を「政府の政策スタンスと異なる」として受け取りを拒否。森友・加計学園問題や厚労省の毎月勤労統計の不正調査問題など、都合の悪い事実を隠蔽・改竄する政権の体質が、改めて浮き彫りになった。

ベストセラー『アベノミクスによろしく』の著者で、今年2月に賃金統計偽装について国会で公述し、6月に新刊『国家の統計破壊』(インターナショナル新書)を上梓した弁護士の明石順平氏は、今回の問題をどう見ているのか。実感なき景気回復策といわれるアベノミクスの正体とともに聞いた。

■マクロ経済スライドとは「年金実質減額スライド」
――6月3日に金融庁が「高齢社会における資産形成・管理」の報告書を公表して以来、いわゆる「老後の生活費2000万円不足」問題が物議をかもしています。

明石 いきなり「老後の生活資金として2000万円用意しろ」という具体的な数字を出されたので、皆さん面食らってしまったのでしょう。ただ、2000万円という数字で驚いていますが、この試算の中には介護費用などは含まれていません。だから、2000万円でも全然足りていないというのが実情です。

この計算は、「現実の高齢夫婦無職世帯の収入(その大部分は年金)と支出を比べると、毎月約5.5万円の赤字になる」という『家計調査(2017年)』の数字に基づいています。これに、2015年の人口推計における「全人口の約4分の1が95歳まで生存する」ことを前提に単純計算すると、30年間で約2000万円(360ヵ月×5.5万円)の金融資産の取り崩しが必要となったわけです。

金融庁としては、こうしたデータを出して「長期・積立・分散投資で資産形成の検討」を促す意図があったのでしょう。つまり、安倍政権の生命線である株高を維持するために、「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げ、株を買わせるように仕向けたかったのです。「預金が目減りするよ」と脅して、「だから投資しなさい」と。

今回の金融庁金融審議会の試算は、現在の物価がずっと続くということが前提となっています。しかし、現在の物価が変わらないという保証はありません。かつては物価が上がれば、それに伴って年金支給額も上昇していました。ところが、現在では「マクロ経済スライド」により、物価が上昇しても年金の増額が抑制されるようになっています。

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最終更新:7/15(月) 6:40
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