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小園海斗は後半戦での広島の巻き返しのきっかけとなれるか

7/16(火) 11:03配信

週刊ベースボールONLINE

 ピッチャーが抑えた日には打線がそれ以上に抑えられ、打線が多少なりとも打った日には、ピッチャーがそれ以上に打たれる……。交流戦明け、まったく投打がかみ合わなくなり、勝利を挙げられないまま、チーム20年ぶりの11連敗を喫した状態でオールスター休みに入った広島。今季通算成績も借金5の4位まで降下、首位・巨人とのゲーム差も11と、4連覇への可能性の糸はとんでもなく細くなってしまったが、少しでも可能性のある限り、そこを目指して進むしかない。5月には月間20勝4敗1分けという爆発力を見せたチームである。その再現を信じて、7月15日からの後半戦は、戦力を整えていくしかないだろう。

 その起爆剤として、オールスター明けから一軍に再度投入されたのが、フレッシュオールスターで吉田輝星(日本ハム)から先頭打者アーチを放ち、MVPに輝いた黄金ルーキー・小園海斗だ。小園は6月に、ショートで連続フルイニング出場を続けていた田中広輔の不調もあって一度一軍に登録され、プロ初打席で初安打を放つなど打撃ではまずまずいいところを見せながら、失点につながる手痛い失策を連発して3試合で4失策、むしろ田中広との守備力の差が浮き彫りになった形で再びファーム落ちとなっていた。しかしその後は、またファームで好調な打撃を見せ、オールスター休みを考えれば最短と言っていい日数で、今度は自らの力で一軍をモノにする形になった。

 フレッシュオールスターでもショートを根尾昂(中日)に譲ってサードを守った小園だが、このところチームでもサードの練習もしており、後半戦はサードという選択肢で起用される可能性も濃厚だ。カープのサードは、今季ここまで、安部友裕、小窪哲也、メヒアらが起用されているが、いずれも攻守にレギュラー固定されるまでの決め手はなく、日替わりのような状態。小園が食い込んでいくチャンスも十分あるといえるだろう。

 守備のほうでも、マツダ広島の内野天然芝に慣れが少ないのはショートでもサードでも同じ。本職のショートに比べれば求められる最低限レベルまでの対応時間が短くて済む面もあるので、いい選択と言えるかもしれない。もっとも、今後、菊池涼介のメジャー挑戦希望問題の再燃や、田中広の国内FA権取得が近いことがあり、近未来でのカープの二遊間の再編の可能性は高く、ロングスパンで考えれば、サードをやるとしても一時的なもので、遠くないうちにショートに戻ることになるとは思われるが。

 打撃のほうでは、シーズンを通して、トップの形を作るタイミングにばらつきが出るところが課題で、おそらくはそこがファームでも今一つコンスタントに打率が上がらないところにつながっていたのだろうが、逆にそこが安定すれば、一気に一軍でもそれなりの打率を残す可能性を持っているともいえる。タイミングが合ったときの打球には十分な可能性が感じられ、まずは左打ちで同型の安部とサードのポジションを、野間峻祥らと一番打者のポジションを争う、ということになろうが、今季後半に一気にレギュラーを手にする可能性もないとは言えない。

 後半戦スタートのゲームでは西川龍馬が一番を打ったが、もし小園がある程度の成績を残してポジション争いに勝っていけるようなら、この小園と野間峻祥が一番と七番、菊池涼が二番、西川が三番、鈴木誠也が四番。ようやく調子を取り戻してきた松山竜平と、ファームから戻ってくるであろうバティスタがツープラトーンで五番、會澤翼が六番、田中広が八番という形をベースに、またある程度メンバーを固定して戦っていくことも可能になる。バティスタの調子次第では、5月に機能したバティスタ三番、西川五番も考えられ、「5月のオーダー+小園」の形で、奇跡の逆転Vを目指していくことができるのだが……。

文=藤本泰祐 写真=BBM

週刊ベースボール

最終更新:7/16(火) 11:23
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