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認知症700万人時代、親の資産を守る方法。 (及川修平 司法書士)

7/16(火) 6:32配信

シェアーズカフェ・オンライン

家族の病気は突然降りかかることもある。

親が突然倒れて入院をする……このような事態が発生したとき、あなたは入院費を支払うために銀行で親の預金を引き出すことはできるだろうか。

一昔前であれば、子の立場で事情を話せば銀行も親の預金の引き出しに応じてくれていたものだが、現在ではそうはいかない。財産をどのように処分するか決定できるのは本人のみで、たとえ家族であっても自由に預金を引き出すことはできない。

先日のNHKニュースで「“認知症700万人時代へ” 変わる銀行」と題して、認知症となってしまった方の預金の払い出し方法について、三菱UFJ信託銀行の取り組みが紹介された。

三菱UFJ信託銀行では、高齢者が事前に銀行と契約(信託契約)を結んで代理人を指定しておくと、認知症が原因で判断力が衰えた後でも、代理人が口座から引き出しができるサービスを開始した。判断力が衰えた人を支援する方法には成年後見制度もあるが、これとは異なる民間の独自のサービスだ。

このような独自のサービスが登場する背景には何があるのだろうか?

■成年後見制度は厳しすぎる?
成年後見制度は裁判所が関与する分、財産の管理方法は厳格となる。

先ほどの例でいえば、入院費の支払いをするために子どもが成年後見人になろうと考えた場合、子であるからといって当然に成年後見人になれるわけではない。それまでの関わり方や親の有する資産状況によっては、司法書士や弁護士といった専門職後見人が選任されることもあり、その場合は報酬がかかり思わぬ費用負担が発生する。

仮に子として成年後見人になったとしても、親の財産管理は、自分の財産とは明確に分ける必要がある。また定期的な報告を求められるなど、親子間だからという甘えは許されない。

親の保有する預貯金や株式などの流動資産が多い場合は(おおむね1000万円以上)、当面必要となる資金を除いて信託銀行に預けるよう要求されることもある。後見制度支援信託というが、その際は株式や投資信託などを解約するよう裁判所から打診を受けることもある。

信託銀行に預けた資金を引き出すには、裁判所に許可をもらわなければならない。こうなると家族からすれば単に親の入院費の管理をするために成年後見制度を利用しようとしたら、とんでもないことになったと感じる人もいるだろう。

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最終更新:7/16(火) 6:32
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