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【ボクシング】田中恒成の「ずらし」のテクニック。 カメラマンも、常に“戦い”に敗れているのだ

7/16(火) 19:06配信

ベースボール・マガジン社WEB

 「スピードを取り戻す」──。すでに世界3階級制覇を達成しているWBO世界フライ級チャンピオン田中恒成(24歳=畑中)は、いまですらとてつもないスピードの持ち主だが、8月24日(土)、愛知県・名古屋市の武田テバオーシャンアリーナで行われる2度目の防衛戦(vs.1位ジョナサン・ゴンサレス=プエルトリコ)に向け、さらなるスピードアップに取り組んでいる。その詳細は、現在発売中の『ボクシング・マガジン8月号』をご覧いただくとして、ここではまったく別の角度、視点から、彼の凄さに迫ってみたい。

【この記事の写真】WBO世界フライ級チャンピオン田中恒成

 不規則なリズムが、鼓膜から脳を刺激する。視覚と同時に聴覚も混乱をきたし、シャッターを切るタイミングを常に狂わされてしまうのだ。

 ワンツー──オーソドックス(右構え)のいわゆる左ジャブから右ストレート。この基本中の基本のコンビネーションの、もっとも“シンプルな”タイミングを言葉に表すと「パンパン」(※カタカナは、あくまでも一例)。しかし、目の前で繰り広げられるのは「ババッ」。ここに、左フックや左右のアッパーカットが織り交ぜられると、「タタッ ババン」となる。

 ボクサーは、相手の意表を突くためにタイミングを変え、軌道を変えてブローを放つ。単純に、「当たれば倒せる」パワーを秘めていればそれは大きな武器となるが、それでも、「来るとわかっているパンチは効かない」のが、ボクシングの深いところ。“意識”があれば、体の各機能が反応して、それに耐えられるよう作動する。その“意識”をずらしてやる。“無意識状態”を相手につくらせて、機能を作動させない。それを、0コンマ何秒の中で繰り広げるのだ。

 それにしても、いま眼前で躍動する田中恒成の動きはなんなんだ?
「1拍ずらし」をもっともシンプルなものとすれば、「半拍ずらし」だってかなり上質。しかし彼は、もっと細かく刻んで連打を放つのだ。こちらのカメラを操る技術がどうの、だけではない。現に、ミットを受けている村田大輔トレーナーですら、キャッチに四苦八苦。取り損ねることも何度もあるのだから。

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最終更新:7/16(火) 19:06
ベースボール・マガジン社WEB

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