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アトレティコ、CL逆転敗退のショック。世代交代期に突入したシメオネの誤算とは?【18/19シーズン総括(5)】

7/16(火) 10:32配信

フットボールチャンネル

2018/19シーズンは、これまでスペインが握っていた欧州の覇権がイングランドへと移る結果で幕を閉じた。タイトル獲得や昨季からの巻き返しなど様々な思惑を抱えていた各クラブだが、その戦いぶりはどのようなものだったのだろうか。今回はアトレティコ・マドリーを振り返る。(文:加藤健一)

●深刻な得点力不足

 ディエゴ・シメオネ政権8年目となった昨季、リーグ戦の順位は2位だったものの、UEFAチャンピオンズリーグ、コパ・デル・レイ(国王杯)ではともにベスト16で敗退した。

 リーグ戦では序盤戦に勝ちきれない試合が続き、6勝1敗7分とつまずく。アトレティコ・マドリーはこの14試合で18ゴールのみと、得点力に苦しんだ。リーグ戦の総得点は55で、ディエゴ・シメオネ政権下では初年度に次ぐワースト2位。直近3シーズンでは70、58、55と下降線を辿っており、得点力の低下が顕著に表れている。

 FWアントワーヌ・グリーズマンと2トップを組むFWジエゴ・コスタはリーグ開幕から7戦ノーゴールと不調が続き、その後は怪我による離脱が続いた。ついには31節のバルセロナ戦ではで退場処分に加えて8試合の出場停止となり、一足先にシーズンを終了。リーグ戦16試合出場、2ゴールのD・コスタのパフォーマンスは、チームにとって大きな誤算だった。

 アトレティコはD・コスタの穴埋めのため、2016/17シーズンまで宿敵レアル・マドリーに在籍したFWアルバロ・モラタを1月にチェルシーから期限付きで獲得。しかし、リーグ戦6ゴールと期待には応えることはできなかった。

●ショックが大きかったCL敗退

 シーズンのハイライトにはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメント・ラウンド16。15/16、16/17シーズンのファイナリスト同士の対決となったアトレティコ対ユベントスは、ラウンド16屈指の好カードとなった。

 アトレティコのホームで行われた1stレグ。D・コスタやグリーズマンが決定機を迎えるもゴールは決められず。D・コスタに代わって入ったモラタがF・ルイスのクロスを頭で合わせてゴールネットを揺らすも、直前のDFとの競り合いがファールの判定でノーゴール。アトレティコはチャンスをなかなか生かせずにいた。

 それでも78分、アトレティコはCKの混戦から最後はDFホセ・ヒメネスがゴールへ押し込んで先制。83分にはFKのこぼれ球をDFディエゴ・ゴディンが押し込んで2-0。ホームのアトレティコは最高のスコアで1stレグを終えた。

 2ndレグ・ホームのユベントスは、立ち上がりから攻勢を強める。27分と48分にクリスティアーノ・ロナウドがヘディング弾を決めて2戦合計のスコアを2-2とすると、ユベントスは84分にPKを獲得。これを三度クリスティアーノ・ロナウドが決めて、3-0でユベントスが勝利した。

 F・ルイスを怪我、トーマスとD・コスタを累積警告による出場停止で欠いたアトレティコは、2戦合計のスコアで2-3となり、ベスト16で敗退。アトレティコにとって、この早すぎる敗退のショックは小さくなかったことだろう。

●バルセロナに独走を許したリーグ戦

 コパ・デル・レイでは、ラウンド16でジローナと対戦。ホーム、アウェイともに引き分け、アウェイゴール数の差で敗退を喫した。

 リーグ戦のみとなった終盤戦だったが、CL敗退直後の第28節アスレティック・ビルバオ戦を落とすと、第31節では首位を走るバルセロナとの直接対決を迎えた。

 試合は開始当初からバルセロナが攻め込むものの、アトレティコも何とか凌ぐ展開。しかし、28分にD・コスタがレッドカードを受けて一発退場。前半の内に10人になってしまったアトレティコだが、両サイドバックのサンティアゴ・アリアス、F・ルイスに代えてFWアンヘル・コレアとFWモラタを投入して攻勢に転じようと試みる。それでも試合は終盤までスコアレスで推移した。

 試合が動いたのは85分。ルイス・スアレスがゴールを決めると、直後にリオネル・メッシが試合を決める2点目をマーク。アトレティコはこの敗北で、首位との勝ち点差を11に広げられ、バルセロナの独走優勝が事実上決まった。

 リーグ戦ではバルセロナに大差をつけられて2位。CL、国王杯ではベスト16で敗退と、どのコンペティションにおいても満足といえる結果は残せなかった。

●チームは世代交代へ

 シメオネ政権も昨季で8シーズン目となり、主力選手は軒並み高齢化。昨夏は、FWフェルナンド・トーレス、MFガビ、FWケビン・ガメイロといったベテランを放出。20代前半のFWトマ・レマル、MFロドリらを獲得している。

 ボランチのポジションを掴んだ22歳のロドリはリーグ戦32試合に先発出場。しかし、シーズン終了後、マンチェスター・シティに同クラブ史上最高額の契約解除金で移籍した。

 今夏はさらに、ゴディン、ファンフラン、F・ルイスが契約満了で退団。バルセロナが獲得を発表したグリーズマンが付けていた背番号7は、クラブ史上最高額の移籍金で獲得した19歳のジョアン・フェリックスに与えられることが決まっている。

 現在のアトレティコは、スカッドの若返りを図っている真っ最中。そのチーム状況を考えると、昨季残した結果は悪くないのかもしれない。

(文:加藤健一)

【了】

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最終更新:7/16(火) 10:52
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