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「新之助」襲名へ! 七月大歌舞伎で見えた勸玄君、天性の“アイドル性”

7/16(火) 8:10配信

オトナンサー

「武具馬具武具馬具三武具馬具合わせて武具馬具六武具馬具、菊栗菊栗三菊栗合わせて菊栗六菊栗」

 この2行を大きな声で言うだけで、口の中の水分が全て失われそうになりますが、この早口言葉が出てくるのが「外郎売」、市川家伝統の歌舞伎十八番の一つです。アナウンサーが滑舌の練習に使うことでも知られています。七月大歌舞伎では、台本にして3ページ、4分の長ゼリフに若干6歳の勸玄君が挑戦しています。

 これまで何度も海老蔵さん親子を取材してきた筆者も、これは見届けねばと初日に歌舞伎座を訪れました。席へ向かう途中、顔なじみの劇場の方が「成長にびっくりしますよ」とニヤリとされました。この言葉通り、今回、勸玄君の魅力が爆発しているのです。

素顔からは想像もできない力強さ

 成長著しいとはこのことか、4分に及ぶ眼目の早口言葉をそれは見事に言ってみせたのです。歌舞伎座は2000席ほどで、子どもでもマイクは使いません。声には伸びと透明感があり、4階席まである劇場中によく響きます。しかも、歌舞伎らしい節回しが自然と身に付き始めています。これぞ歌舞伎ネイティブ。

 そして、何といっても、一番の魅力はアイドル性です。舞台で見てもびっくりするほど小さいのですが、堂々たる存在感。とにかく目を引きます。子どもだからかわいいというだけでなく、やはり、天性の人目を引く魅力が彼には備わっているように思います。

 見事にセリフを言い終わると異例の長い拍手。そんな拍手と注目をものともせず、見得を切ってみせる姿はまるでスター。海老蔵さんの方が勸玄君にくぎ付けです。演技なのか素なのか、勸玄君に体を向け、じっと見つめ続けています。勸玄君はそんな海老蔵さんを一度も見ることなく、堂々と前を見据えてぶれることはありません。素顔のかわいらしい姿からは、想像もできない力強さです。

 終演後、海老蔵さんは「この人、すごいです。もう涙が止まらない」とかなり感激した様子でした。

 何といっても、海老蔵さんがいいお父さんなのです。一緒にいる時の子どもたちが海老蔵さんを見る目を見れば一目瞭然。やんちゃの代名詞のようだった海老蔵さんが、2020年に大きな名跡、團十郎を襲名、加えて、子ども2人、妹、叔母と市川家5人の襲名がある他、東京五輪にも関わっています。想像を絶する忙しさの中、子育てに奔走しています。

 周囲からは時折、再婚の話も出るようですが、海老蔵さんは「今は家族のことで精いっぱい。それに私はまだ麻央を思っています」とはっきりと言い切ります。この強い言葉を目の前で聞くと、今この瞬間も胸が締め付けられます。

 勸玄君に父・海老蔵さんのことを質問すると、「頑張っていると思う」との答え。その大人びた言い方には思わず吹き出しました。

 今回は、歌舞伎では異例ともいえる、チケットが売り出しと同時に早々に完売しました。注目度も高かったのですが、見事に期待に応えた形です。勸玄君は来年、新之助の襲名が決まっていますが、本当は海老蔵を襲名したかったとのこと。この大胆さも舞台に立つ上で重要な資質なのかもしれません。

芸能リポーター 島田薫

最終更新:7/16(火) 20:39
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