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不動産は「やり過ぎ」なければ魅力的(苦瓜達郎)

7/17(水) 7:47配信

NIKKEI STYLE

近年、実物不動産の市況が高止まりしているのに対して、中小型不動産株の大半は割安圏で放置されています。外部環境のこれ以上の改善は望みにくいなか、一方で世の中のリスク回避姿勢が高まったり、万が一、金利が上昇したりした場合には大幅な収益悪化が避けられないため、投資対象としての魅力が低いと考えられているのでしょう。しかし、私の考えでは、不動産株は「やり過ぎ企業」にさえ注意すれば、魅力的な投資対象です。

■過去に繰り返された活況と調整

不動産業界は過去にも何回も活況と調整を繰り返してきました。活況時には新たな事業形態も多く生まれますが、その多くは「やり過ぎ」といえる展開で、調整期になると厳しい淘汰にさらされることになります。
それでも、業界全体としてまったく学習効果がないという見方は誤りです。淘汰された企業を他山の石としつつ、堅実に事業を継続している企業も実は多く存在するのです。
私の見立てでは、過去10年間のリーマン・ショックからの回復局面においては、活況の割にいわゆる「やり過ぎ」は少なかったように思います。リーマン・ショック前に見られた、物件価格上昇をあらかじめ織り込んだ開発型ファンドや、郊外バス便マンションとか、再開発案件に対する反社会勢力の関与等々……は、影を潜め妥当性の高い取引の割合が高かったと考えています。

■過熱が目立った投資用アパート

その中で、近年「やり過ぎ」が目立った分野と言えば、資産家でも高所得層でもない人々に対する投資用アパートの販売でした。地域金融機関の融資姿勢が緩み、頭金なしでもローンを組めるケースが出てきたため、リスク負担能力の低い人々にも物件販売が行われ、その周辺ではさまざまな不正行為もまん延していました。
昨年、色々な事件が報じられたこともあり、現在では個人投資家向けの融資審査は厳格化され、リスク負担能力が低い人々への融資は激減。リスク負担能力が高い人々に関しても審査期間が長期化する傾向にあります。しかし、そのために不動産市況全体が崩れるような事態には至っていないと認識しています。

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最終更新:7/17(水) 12:15
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