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FBライブ との契約解消後、25% 視聴者数が増えた WSL:なにが勝因となったのか?

7/17(水) 17:00配信

DIGIDAY[日本版]

サーフィンの世界的なプロリーグ、ワールド・サーフ・リーグ(World Surf League:WSL)は各国のオーディエンスを増やす取り組みの一環として昨年、デジタル配信についてFacebookと独占契約を結んだ。それから1年後、WSLはまだ契約を1年を残した状態でこの独占契約を解除した。その後、全世界でWSLのオーディエンス数は増加している。

WSLのCEO、ソフィー・ゴールドシュミット氏によると、WSLがオンラインとテレビで配信しているプロサーファー大会のオーディエンス数は今年、前年比で25%増となっている。Facebookは現在、非独占でWSLの大会のライブ配信を継続している。WSLのオーディエンス数が今年増加した背景には、この独占契約の打ち切りというより、同団体がオーディエンス層を厚くするためにコンテンツと配信先を増やす取り組みを続けてきたことにある。たとえば、オリジナル番組を制作するインハウススタジオの立ち上げもそのひとつだ。

WSLがテレビ配信を行ったのは昨年20カ国だったが、それが今年は135カ国にまで増えている。たとえば米国ではFOXスポーツ(FOX Sports)と契約を結んでおり、その内容はFOXスポーツ2(Fox Sports 2)やFOXスポーツアプリ上で500時間以上におよぶ生放送などの番組放送契約となっている。ゴールドシュミット氏は同契約について、「FOXスポーツのような大手と大規模な契約を結べたのは、我々にとって非常に大きい。Facebookとの契約変更でできた穴を十分に埋めることができた」と語る。

見限ったわけではない

WSLが独占契約の解除に至った一因に、Facebook ライブ動画の生配信サービスが技術的にまだ成熟していなかった点が挙げられる。とりわけ今回は、世界規模のオーディエンスを抱えるスポーツリーグ配信としてその点が浮き彫りとなった。昨年の契約後、Facebook ライブ動画がWSLの大会を初配信したときは直後に技術的な問題が発生し、Facebookにログインしなくても大会を視聴できるように変更しなければならなかった。さらにWSLはさまざまな市場と言語で大会イベントを配信している。「これはFacebook ライブ動画が経験したことがない複雑な配信方式だった」と、ゴールドシュミット氏は振り返る。

それに加えて、WSLはFacebook ライブ動画の配信だけでは十分な収益をあげられなかった。FacebookはWSLに対してFacebook ライブ動画での放映料を支払っている。さらに、WSLはスポンサー契約を結ぶこともできる。

一方で、盛り込まれていない契約もあった。Facebookは、ライブ配信やオンデマンド動画でCMを流して、メディア企業や制作企業と収益を共有するシステムを有しているが、WSLとの契約ではこのシステムは用いられていない。これについてFacebookの広報担当は、Facebookはスポーツの生配信ではCMを流さない方針だとしている。

同広報担当は米DIGIDAYへのeメールのなかで次のように記載している。「当社はワールド・サーフィン・リーグとの提携契約を改めてまとめることができて満足している。同団体との契約によって新たなオーディエンス層を獲得し、新たな視聴体験を提供できるようになった。たとえばFacebook Watch(ウォッチ)では、非常にインタラクティブかつソーシャルな環境で、サーフィンファンがほかのファンとともに視聴できるようになっている」。

あらためていうと、WSLは決してFacebookを見捨てたわけではない。ゴールドシュミット氏によれば、Facebook ライブ動画での視聴体験をより良いものにするためWSLは、Facebookと協力して取り組んできたという。たとえば、Facebookが昨年導入したライブ投票およびライブ質問機能の活用もそのひとつだ。これはオーディエンスが生放送中に投票したり、質問に回答できる機能となっている。ゴールドシュミット氏は「提携を通じてお互いにたくさんのことを学んだ。我々にとってもFacebookにとっても、非常に良い形に落ち着くことができた」と、その成果を語る。

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最終更新:7/18(木) 15:00
DIGIDAY[日本版]

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