ここから本文です

なぜスタートアップ人材は人口130万のエストニアに集まるのか?現地で聞いた

7/17(水) 10:28配信

日経BizGate

小国ながらIT人材確保と教育に注力

 エストニアは人口約130万人のヨーロッパの小国ながら、約550のスタートアップ企業が集積する。スカイプ、オンラインカジノのプレイテック、海外送金のトランスファーワイズに続き、ライドシェアのボルトとユニコーンを計4社輩出している。同国でなぜスタートアップが続々誕生するのか?その背景には国内外でのIT人材確保と教育がある。

 人材確保で注目したいのはスタートアップ・ビザだ。欧州連合(EU)域外からエストニアでの起業を希望する人や、EU域外の人材を雇用したいエストニアのスタートアップ企業に向けたビザで2017年1月に始まった。2年間で延べ1000人以上の申し込みがあり、約900人が審査に合格、エストニアへの移住権利を得た。2018年に申し込みが多かったのはロシア、インド、イラン、トルコ、ウクライナといった国々、その中で合格率が高かったのは、ロシア、トルコ、ウクライナだった。

 スタートアップ・ビザ制度は他の国にもあるが、エストニアの特徴は審査組織にある、とスタートアップ・ビザを運営するスタートアップ・エストニアのメリリン・ルック氏は指摘する。スタートアップ・ビザに申し込むと、起業のアイデアや、当該企業がスタートアップとしての資格があるかといった資格審査が行われる。この審査組織は、政府関係者が中心ではなく、テクノポール、スタートアップワイズガイズなどの著名インキュベーターや、エストニア起業家団体の計7団体で構成されている「非常にユニークなもの」(ルック氏)だ。

 「制度をはじめた当初は50件の応募を目標にしていましたが、最初の1年で300超の応募がありました」とルック氏は語る。エストニア全体のデジタル先進国としてのブランディングがスタートアップ・ビザへの注目度の高さにつながり、好循環を生んでいる。

 クォン・ロク・ン氏はスタートアップ・ビザの1期生。もともとは出身地の香港でスタートアップを経営していたが、2年半前にエストニアのスタートアップ、ジョバティカルに転職しエストニアに移住。その後、スラック上で共有されたURL、画像、ファイル等の情報を簡単に保存したり、スラック上でのやり取りをもとにした自動応答チャットボットを提供するキップワイズを起業した。

1/4ページ

最終更新:7/17(水) 10:28
日経BizGate

記事提供社からのご案内(外部サイト)

・ビジネス上の「課題解決の扉」を開く!
・経営、人事、マーケティングからITまで
・専門家の知見や洞察に富んだコラム満載
・経営層、管理職層の悩みにも応えます

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事