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ブタは人間とどこまで交流できる? イヌと比べてみた、研究

7/17(水) 7:10配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

米国とカナダで飼われている「ミニブタ」は100万頭を超えている

 近年、ペットとしてブタを飼う人が増えている。米国とカナダで飼育されているいわゆる「ミニブタ」の数は、1998年の20万匹からおそらく100万匹まで増加している。

【動画】ブタは人間とどこまで交流できる?

 ここで「いわゆる」をつけたのは、ミニブタという種は存在しないからだ。ミニブタは小型のブタの総称ではあるものの、ペットとしては「ミニ」というほど小さくない。一部の無責任なブリーダーに騙されて、それを知らずにブタを購入する人がたくさんいる。

 ミニであろうとなかろうと、すべてのブタは大きくなる。そして、大きくなったブタの大半がシェルターで生涯を終えるか、安楽死させられている。専門家はミニブタを飼おうと考えている人々に対して、飼育に伴う責任とリスクを十分に理解するよう助言している。

 とはいえ、相棒としてブタを飼う人が増えているなかで、ブタが飼い主とどのぐらい交流できるかを知るのは重要だ。

 このほど、それぞれ生後4カ月の子ブタと子イヌが、人間の合図にどのように反応するかを比べた実験結果が学術誌「Animal Cognition」に発表された。

 イヌと比べたのは、人間とのコミュニケーションに関する研究がたくさんあると同時に、ブタとイヌに共通点が多いからだ。ブタもイヌも知能が高く、友好的で、しばしば魅力的なペットになる。

 もちろん、イヌのほうが立場は有利だ。

「犬が家畜化されたのは1万5000年以上前ですが、ブタが家畜化されてからまだ1万年もたっていないからです」と 研究チームを率いたハンガリー、エトヴェシュ・ロラーンド大学の動物行動学者リンダ・ゲレンチェール氏は言う。

ブタの動機の決め手は食べ物

 最初の実験で、科学者たちはハンガリーの家庭から、ミネソタミニブタと雑種のミニブタを10匹と、8品種のイヌ10匹を集めた。

 動物たちは飼い主と女性の実験者とともに1匹ずつ室内に入った。実験者は動物に2分おきに餌を与え、その間の反応を観察した。

 子イヌと子ブタが実験者を見たり触れたりした頻度は同じだった。

 しかし、期待していた餌が与えられないと、子ブタは実験者への関心を失って好き勝手な行動を始め、子イヌだけが実験者の顔を見続けた。

 その理由を、ブタは食べ物によって強く動機づけられるからだろうと、米カリフォルニア大学デービス校の動物科学者クリスティーナ・ホーバック助教は推測する。

 イノシシや野生化したブタは、1日8~10時間は物を食べていて、雑食性のため、周りにある食べ物をできるだけ多く食べようとするのだ。

 第2の実験では、科学者たちは動物たち(今度は9匹の子ブタと9匹の子イヌ)が、人間が指を差す身ぶりにどのように反応するかを調べた。実験者は動物の前方に膝立ちをして、床の左右に原色の容器を置いた。餌が入っているのは片方だけで、実験者はその餌が入っている方の容器を指差す。

 すると、イヌは指で示された方の容器に向かっていったが、ブタは指差しとは関係なくランダムに容器を選び、最初に選んだ容器に毎回向かっていった。

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