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世界中の情報がマリノスに!シティ流強化メソッドがもたらしたもの

7/17(水) 12:07配信

footballista

CFGにマリノス専属のコンシェルジュがいる

――先日5月上旬にCFGのミーティングで、皆さんマンチェスターに行かれたとお聞きました。どのような内容だったのでしょうか。

小倉「CFGでは半年に一度、ベストプラクティスの共有を目的として、世界各国のマネージャークラスが一堂に会する機会を設けています。日本からは今回、レギュラーメンバーの利重さんに私と、原が加わり3人で参加してきました。CFG各クラブ(マンチェスター、ニューヨーク、メルボルン、ジローナ、トルケ(ウルグアイ)、マリノス)の、サッカー部門であればSD(スポーツディレクター)クラス、事業側であればCEO、そしてセールスやマーケティングなどの部門責任者が集まって、普段はメールや電話中心にコミュニケーションを取っている者同士、一週間直接顔を合わせて話をするわけですね」

――どのような意見交換をされたのですか?

小倉「まず各クラブ個別のセッションがあります。マリノスとジローナ、マリノスとニューヨーク、マリノスとメルボルン、マリノスとシティというような感じです。シティのチキ・ベギリスタインともセッションしましたよ。あとは分科会的にSDだけのミーティング。各クラブであった問題点を共有したりします。『こういう選手を獲得したけどうまくいかなかった』『成績が悪くて降格しそうだ』とか、かなり生々しい話です(笑)。CFGがバックアップしているクラブが全て成功しているかというと、そんなことはないですよ。ジローナとトルケは残念ながら降格しました。マンチェスター・シティは一番結果が出ています。一番長くCFGグループのノウハウを実践していますから当然ですね。そのほかのクラブはまだそんなに時間が経っていません。マリノスもまだ5年です。

 サッカーの内容は、(CFGの)全クラブがペップ(・グァルディオラ)みたいなサッカーをやっているわけでもありません。マリノスは似ていますが、スタイルのコピーを強制されるわけではないです。ジローナもメルボルンも良い意味で全然違うサッカーをしています。ニューヨークはペップの右腕が昨年からニューヨークに行っているので、近いサッカーをやっています。なるべくグループ各クラブの試合を見るようにしていますが、監督や選手によって目指すサッカーは変わっています。だから今マリノスはポステコグルー監督がCFGに言われたサッカーをやっているわけではないのです。彼はキャリアのなかで色んなクラブで今のサッカーをやっていました。我々もポステコグルー監督のサッカーを知っていたので、クラブとして彼に監督をお願いしたわけです」

――しかし、CFGは攻撃的サッカーをやるという哲学はありますよね。

小倉「哲学はもちろんありますが、サッカーは監督と選手でやるものですからね。CFGのトップであるフェラン(・ソリアーノ)から言われたのですが、『色んな情報を供給するけど、最終的に決めるのは各チームのCEOや、プレジデント、監督、SDですよ』と。CFGグループは強制しない」

――マリノス側にも裁量があるのはいいことですね。

小倉「各リーグによって事情は違いますから当然ですよね。例えばMLSは外国人枠を売ることができます。『私のクラブは自国選手だけでチームを組織するから、外国籍選手枠をほしいクラブにはお金で売っちゃいます』というクラブも存在する。アメリカらしい発想ですよね」

――ところで、マリノスからは先日、久里浜の新トレーニング施設について発表がありました。

小倉「そうですね。実はCFGにはそういう施設を作るだけの専門家もいます。その方がまた結構語る人で。全SDがいる中で『あれがなきゃダメだ、これがなきゃダメだ』と厳しくて(笑)。サッカーの戦術論や技術論をやり取りするだけじゃなくて、我々が今まで思い浮かばなかったような情報をもらえるのがCFGの大きいメリットですよね。」

――原さんはそのミーティングに出てどのような感想を持ちましたか。

原「まずミーティングに行ったときの歓迎が凄かったですね。過去、Jリーグのクラブが行ってきたクラブ提携とは全く違う関係性だと思いますね。むこうから『何に困っているんだ?』というスタンスで、コミュニケーションレベルが違います。マリノス側からアクセスさえすればCFG側には情報はいっぱいあります。何をやりたいかをこちらが明確に持っていれば、それを助けてもらえる感じです。CFGにマリノス専属のコンシェルジュみたいな人がいて、その人に『俺に話してくれれば問題を解決するよ』と言ってもらっています。試合分析においても、CFG側にシーズンを通してマリノスのためにリソースを割いてくれる人がいますからね」

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最終更新:7/17(水) 12:57
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