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20年後も残るウェブメディアを。アーカイブにこそ価値がある|藤本智士(編集者)

7/17(水) 20:00配信

FINDERS

ローカルメディア、オウンドメディアがどんどん生まれている。ただ、目的が不明確だったり収益がうまく得られなかったりして、残念ながら終了するケースもある。人の役に立つ、面白い情報を届けたいという思いは、メディア担当者に共通のものだと思う。しかし立ち上げるのは簡単でも、続けるのは難しい。本当に。

ウェブメディアは今後どう残っていくべきなのか。そのヒントを得たくて、有限会社りす代表・編集者の藤本智士さんにお話を聞いた。藤本さんは広告のない雑誌『Re:S』や、秋田のフリーペーパー『のんびり』、ウェブメディア『なんも大学』などを編集してきた。

著書『魔法をかける編集』の中で、藤本さんはこう書かれていた。

「なんも大学」の読者は、極端に言えば、何十年、いや何百年も先に「秋田」を知りたいと思った人です。(藤本智士『魔法をかける編集』インプレス,p211)

こんな長いスパンでウェブメディアを作ろうとする人を、他に知らない。

話を聞く中で見えてきたのは、アーカイブすることの価値。そしてそれがウェブにこそ向いているかもしれないということだった。

20年先、検索する人のためのメディアを

― ― 『なんも大学』は「「バズらせることの正義」の彼岸に行きたい」「未来の秋田のために、良質なコンテンツをいまから貯蔵していこうと思った」と『魔法をかける編集』で書かれていました。どういう考えを経てそうなったんですか?」

藤本:元々紙の編集をやってきたから、というのはありますね。12年前、『Re:S』って雑誌を作ったときは、「情報誌にしない」って決めてたんです。「今使えるやつ」は古くなっちゃうので。一瞬「ドン」ってウケる記事があっても、今はキレイに忘れていく感じがあるでしょう?

― ― たしかに。

藤本:即時性、今日明日の成果に企業はとらわれがちだけど、100年後どうなるのかなって考えたことがあって。かつての文化産業って、「今とれればいい」じゃないから、林業みたいに続いてきたと思うんですよね。そこが引っかかっていたので、自分がウェブメディアやるのには最初、納得できなかった。それでも自分なりのロジックとして出したのは、かえってウェブの方が情報が残るかもな、アーカイブしていくのがいいのかもなってことでした。

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最終更新:7/17(水) 20:00
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