ここから本文です

これらの中央アジアの建築には、いまも「ソヴィエトの美学」が遺されている

7/17(水) 12:13配信

WIRED.jp

1990年代はじめにソヴィエト連邦(ソ連)が崩壊したとき、帝国の残骸から離れて新たに独立した国々の多くは、植民地時代の主人とかかわりがあるものをできるだけ排除しようとした。しかし数十年という時が流れたいま、かつて“衛星国”のなかには旧ソ連への郷愁が存在する土地も残っている。

【写真ギャラリー】中央アジアに遺されている旧ソ連時代の建築群

KGB(ソ連国家保安委員会)やノーメンクラトゥーラ(特権階級)の復活を望んでいるわけではない。官僚たちがただ騒ぎ立てるだけの無能だったことは、米国で放映されているドラマ『チェルノブイリ』で衝撃的に描かれている[編註:日本でも9月から放送予定]。しかし、古くからの住民のなかには、雇用や住宅が保証されていた時代を懐かしく振り返る者もいる。

文化の領域において、そうしたノスタルジーはソ連時代の建築に結びつくことが多い。ブルータリズムスタイルのコンクリート製の集合住宅や、壮大で派手な政府関連の建物、英雄の像が飾られた巨大な広場といったものだ。こうした“トライアンファリズム(勝利主義)”とも呼ばれる独特の建築は嘲笑の的になることも多いが、これらを守ろうとする人たちもいる。

旧ソ連時代にカザフスタンの首都だった都市・アルマトイでは、地元の建築家グループが「ArchCode」という団体を立ち上げた。解体の危機に瀕しているものも多い「建築的なDNA」を記録し、保存することが目的だ。同様のグループが、旧ソヴィエト帝国のあちこちに生まれている。

イタリア人の写真家ロベルト・コンテとステファノ・ペレゴは、ロシアやグルジア、アルメニア、ベラルーシで仕事をするうちに、旧ソ連時代の建築に興味を抱くようになった。彼らは、かつてソ連領だったカザフスタンやキルギス共和国、ウズベキスタン、タジキスタンを旅して回り、作品集『Soviet Asia: Soviet Modernist Architecture in Central Asia』を、ロンドンにある出版社のFuel Designから出版した。

1/2ページ

最終更新:7/17(水) 12:13
WIRED.jp

記事提供社からのご案内(外部サイト)

『WIRED Vol.33』

コンデナスト・ジャパン

2019年6月13日発売

1,200円(税込み)

『WIRED』日本版VOL.33「MIRROR WORLD - #デジタルツインへようこそ」来るべき第三のグローバルプラットフォームを総力特集

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事