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削らない、神経抜かない……「歯」に悩む人必読の“3大新常識”とは?

7/17(水) 11:00配信

文春オンライン

 万人を悩ます歯のトラブル。どこの歯医者に行けばいいか迷うし、おカネもかかるし、何より痛い……。しかし医療は日進月歩、歯の常識も日々変わりつつある。削らない治療法に理想の歯磨き法、いい歯科医の見つけ方まで、5人の専門家があなたの疑問に答える!

【表】歯周病のセルフチェックリスト

◆◆◆

「削らない虫歯治療」がある

 歯医者に行くのが大嫌い、という人は多い。キーンという高い音が響く診察台で、恐怖と痛みに耐えながら、ドリルで歯を削られた辛い記憶だけが残る。

 だが、それも昔の話。(1)最新の虫歯(う蝕)治療は、「できるだけ歯を削らない」「できるだけ神経も抜かない」という考え方に変わっているのだ。

「自前の歯を少しでも多く残すことは、高齢になったとき、健康的な生活の維持に大きく寄与します。『削らないこと』が『歯を残すこと』につながるのです」

 こう語るのは、神奈川歯科大学大学院歯学研究科の山本龍生教授だ。

「これまでは、どんなに小さな虫歯であってもその部分を削って除去し、詰め物をするという治療が行われてきました。進行した虫歯であれば、より大きな詰め物をしたり、歯全体にクラウンという被せ物をする治療が行われる。ですが、こうした虫歯治療こそが、歯を失う大きな要因になっているのです」

 人間の歯は、外側が硬いエナメル質に覆われているが、ここを一度でも削ると元に戻らない。しかも、削ることで周囲のエナメル質に目に見えないクラック(ひび)が入り、そこから虫歯菌が侵入する可能性が高まってしまうという。

「さらに、詰め物は接着剤で歯に接合されていますが、経年により接着剤が少しずつ溶け出し、わずかな隙間ができてしまう。そこには歯ブラシが届かないので、細菌の塊であるプラーク(歯垢)が溜まり、虫歯菌が侵入して再び虫歯になるのです」(同前)

 再発した虫歯の治療のために詰め物を外し、さらに大きく削って大きな詰め物をしなければならない。まさに悪循環だ。

なぜ「神経を抜く」のは避けたほうがよいのか

 2回目、3回目の虫歯は、神経に達してしまうことも多い。その場合「神経を抜く」つまり歯から神経を取り除く治療が必要となる。

「神経を取り除いた歯は栄養が供給されず、枯れ木のような状態。非常に割れやすくなります。破折を防ぐためにクラウンを被せますが、その下がまた虫歯になったり、歯の根っこの部分が炎症を起こして痛みが出たり膿が溜まる『根尖病変』が発生します。最終的には抜歯が避けられない状態になってしまうのです」(同前)

 つまり、神経を抜くことで歯にトドメをさしてしまう。神経を抜くのは極力避けるべき事態だ。

 ささいな虫歯から始まる悪循環を防ぐために、今注目を浴びている「削らない虫歯治療」。天野歯科医院(東京都)の天野聖志院長が解説する。

「虫歯の進行度はC1からC4まで4段階に分かれています。初期段階のC1は虫歯がまだエナメル質にとどまっている状態。これにヒールオゾンと呼ばれる気体を60秒程度吹き付けて虫歯を殺菌します。塩素の7倍ともいわれる高い殺菌作用があり、これだけで虫歯は除去され、詰め物も必要ありません」

 C2の場合、虫歯の部分だけが軟らかくなるカリソルブという薬剤を塗布し、専用の器具を使って除去する。どちらも治療は1日で終了するという。

 ネックになるのが費用だ。保険適用はされず、自費診療となる。歯科医院にもよるが、ヒールオゾンは歯1本あたり1万円程度。カリソルブは、詰め物の費用は別にして1本1万円~3万円程度だ。

 確かに費用はかかるが、なにより歯を削らずに済み、虫歯再発のリスクも格段に下がるという。

 すでに削る治療を行い、銀歯などの詰め物が入っている場合はどうするか。

「歯科医院で詰め物の下に虫歯ができていないか検査してください。もし虫歯があれば早めの対処が必要です。詰め物やクラウンを外す際、どうしても歯を削ることになりますが、拡大率が30倍程度の高性能マイクロスコープを使えば、ほとんど削らずに外すことも可能です」(同前)

 山本教授が指摘する。

「(2)歯の本数が少ないほど認知症になるリスクが高くなることもわかっています。そのためにもできるだけ歯を削らないこと。神経も残せる可能性があれば、できるだけ残すべきです。1本歯を失うと、周囲の歯も影響を受けます。いかに最初の1本を失うのを先送りできるかが重要なのです」

 実は、虫歯以上に歯を失う原因となるのが歯周病だ。抜歯原因調査によれば、虫歯の29%に対し、歯周病は37%にのぼる。

 最近は、歯周病と認知症や糖尿病、脳血管障害、心筋梗塞、動脈硬化など全身の病気との関連も指摘されている。口の中の歯周病菌が血流に乗り、何らかの原因となっている可能性があるという。

 そもそも歯周病とはどのような疾患か。

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最終更新:7/17(水) 11:00
文春オンライン

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