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相続税を支払わず兄逃亡! 後始末に奔走する家族と絶縁状態に

7/17(水) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

相続税の基礎控除額が引き下げられ、今まで「うちは無縁」と思っていた人でも、相続税を払う義務が生じるようになった。タクシーさん(仮名)の兄は、親から小さなビルを相続した。多少でも資産があれば、この子の人生は楽になる。そう考えた親が遺した愛情であった。しかし兄は、相続税を払わずに逃げてしまう。そして、数百万円の税金の支払いを渋ったことで、残りの人生を台無しにしてしまったのだ。※本記事では、税理士の髙野眞弓氏が、自身の経験もとにした「炎上エピソード」を紹介する。

相続税を払わずに消えた

タクシーさん(仮名)が事務所にやってきたのは、夏真っ盛りの8月の暑い日のことだった。彼は埼玉県でタクシー会社を経営する50代の男性。10年ほど前に私が会社の顧問となり、会社の税務を引き受けてきた。そんな彼から「相続の相談をしたい」と電話を受けた。私は会社の税務を見ているため、会社のことはよく知っている。しかし、彼個人や家族のことは知らない。相続について相談されたのもこの時が初めてだった。

「暑かったでしょう」私はタクシーさんをねぎらい、エアコンの効いた部屋に彼を招き入れた。

「いやあ、暑い暑い。埼玉も暑いですが、東京もひどい」

「アスファルトが鉄板のようになっていますからね。昼間は逃げ場がありませんよ」私はそう言い、冷たい飲み物をすすめた。

「会社の調子はどうですか?」

「相変わらずドライバー不足には悩んでいますが、まあ順調なほうでしょう。景気回復の波が東京から埼玉まで広がってくれれば、もうちょっと儲かるんでしょうけど」「そうですか」私はそう返し、商売が順調であることに安心した。

タクシーさんは一代で会社を興した働き者だ。起業家の中には、ドカンと大きく儲けたり、その反動で大きく損を出したりするタイプの人がいるが、タクシーさんはその対極のコツコツタイプである。少しずつ社員を増やし、売上を伸ばしてきた。過去10年ほどの税務書類にも、その堅実さが表れていた。

「それで、今日は相続税の相談があるそうですね。どなたか亡くなったのですか?」

「半年ほど前に母が亡くなりました。ただ、その相続は終わっています。父は私が大学生の頃にすでに他界していて、私の兄が小さなビルを相続したんです」

「そうでしたか」

「その際に相続税が発生したのですが、兄が未納のままどこかに消えてしまったのです」

「消えた?」私は聞き返した。

相続税を意図的に払わなければ脱税行為となる可能性がある。現在の税務調査の態勢を踏まえれば、逃げ切れる可能性はほぼゼロだ。納付が遅れるほど延滞税がつき、納付額が増える。

「消えたといっても、事件に巻き込まれたとかではありません。女をつくって逃げたようなのです」

「そうですか。いずれにしても相続税は納めなければなりません。詳しく話を聞かせてください」私がそう言うと、タクシーさんは安心したような表情を見せ、話し始めた。

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最終更新:7/17(水) 8:00
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