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企業PRのための期間限定の社会貢献はアリなのか? 広告の本質を考える

7/17(水) 7:00配信

Forbes JAPAN

今年で66回目を迎える世界最大級の広告祭、カンヌライオンズが開催された。世界中のクリエイティビティを讃える祭典では、毎日授賞式が開かれ、27部門でそれぞれグランプリが決まる。

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2日目に発表された部門の一つ、インダストリークラフト部門。デジタルやフィルム以外のものづくりでに対して贈られる賞だ。そこでグランプリを見事に勝ち取ったのはナイキの「Just Do It HQ at The Church」プロジェクトだった。

2018年8月、ナイキはシカゴにある歴史ある教会をバスケットボールコートに変え、地元の子どもたちが最新の設備で安全に遊べる環境を作った。19世紀に建てられたエピファニー教会を、ステンドグラスなどを残しながらバスケットボールコートに変身させ、ジムとロッカールームを併設した。

このバスケットボールコートが建てられた背景は、シカゴの銃犯罪の多さだ。いつなんどき善良な市民が巻き込まれるかわからない状況下で、子どもたちは自由に外で遊ぶことも難しい。アメリカの国民的スポーツであるバスケも彼らにとっては、「危険」な遊びだ。

ナイキはそんな危険と隣り合わせの子どもたちに「希望」を与えるため、心から楽しめる場所を提供した。新たなバスケットボールコートでは67校から2000人以上の子どもたちを受け入れた。伝説的なバスケットボール選手のスコッティ・ピッペンを含め、10人の選手が訪れ子どもたちにバスケを教えた。

教会とバスケという異色のコラボは、テレビやネットで連日取り上げられ、ユニークなアイデアと地域貢献に対して賞賛の声が絶えなかった。

しかし、この素晴らしいプロジェクトの期間は1カ月のみだった。子どもたちが自由にバスケもできない危険なシカゴで誕生したバスケットボールコートは期間限定の取り組みだったのだ。ナイキが本気で子どもの時間を救うとしたら、1カ月で足りるとは思えなかった。

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最終更新:7/17(水) 7:00
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