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中村獅童インタビュー 初音ミクと共演する「千本桜」サイリウム必携の“超歌舞伎”を体験!

7/17(水) 18:50配信

ウォーカープラス

ドワンゴがネット世界を実際に体験共有できる場として、12年より幕張メッセで開催している超巨大イベント「ニコニコ超会議」。2016年4月、約5000人の観客を前に、今をときめくバーチャル・シンガーの初音ミクが、古典歌舞伎の新たな可能性に挑む中村獅童と共演、「超歌舞伎」の舞台で歌舞伎デビューした。「超歌舞伎」は、歌舞伎とNTTの超高臨場感通信技術「Kirari!」などの最新テクノロジーが融合した新たなエンターテインメント。今年4月までに、獅童×ミクを軸にした座組で4回の公演を重ねてきた。ミクファンは感涙し、観客は熱狂。この数々の賞を受賞した話題の舞台が、ついに歌舞伎発祥の地・京都で、今年11月に新装した南座に登場する。中村獅童が来阪し、会見と個別取材でミクとの共演や南座ならではの“超歌舞伎”の楽しみ方、そして新たなものに挑む意気込みを語った。

【写真を見る】幅広い世代に歌舞伎を楽しんでもらいたいと語る中村獅童さん

【新たなものに挑む姿勢】

「バーチャルの世界の中に我々歌舞伎が入ってどこまで融合できるかは、僕らにとってもチャレンジでした」と話す獅童。「失敗や批判を恐れていたら何もできない。やったことのないことを、どういうふうに成立させるか。できないと言ってしまったら、絶対にできないんです。でも、できると思ったらなんでもできると思っているので、あきらめない気持ち、チャレンジする精神はいくつになっても、ずっと持っていたい。できないと思われていることに対して、闘っていくことが僕の生き方かもしれないですね」。

これまでも、15年に絵本を題材にした新作歌舞伎『あらしのよるに』、16年からデジタルとの融合「超歌舞伎」、今年は倉庫などで『女殺油地獄』を上演した「オフシアター歌舞伎」と新たな歌舞伎を次々と生み出している。

「先人たちが作り上げた世界に誇る日本の伝統美・歌舞伎が、デジタルの中に入っても見劣りすることなく映えるのは歌舞伎の持っている底力。新しいものを作るたびにそれを感じます。僕は破天荒に見えるかもしれないけど、毎回意識するのは歌舞伎の古典なんです。伝統を守りつつ、革新を追及するという生き方を常に追い求めています」。

【本公演の演目と配役】

一. 超歌舞伎のみかた 「見どころや屋号などを解説します。これまでは口上でやっていたんですが、わかりやすかったという声が多かったので一つの演目として確立させました」。

二. 當(いま)世流(よう)歌舞伎(かぶき)踊(おどり) 出雲の阿国:初音ミク 恋人・名古屋山三:中村獅童

阿国と山三のかぶきをどりの一座による、新時代を寿ぐ踊り。阿国の二枚扇を使った踊り、山三の毛槍の踊り、女歌舞伎・男歌舞伎も加わった豪華絢爛の総踊りなどの新作舞踊

「藤間の御宗家(勘十郎)と相談しながら作って、がっつりミクさんと踊ります」

三・ 今昔(はな)饗宴(くらべ)千本(せんぼん)桜(ざくら) 佐藤忠信:中村獅童 初音未來/美玖姫:初音ミク 青龍の精:澤村國矢

16年の「超歌舞伎」で初演し、数々の賞を受賞した「超歌舞伎」の記念碑的作品。今年、脚本・演出を一新して再演。古典歌舞伎と初音の代表曲に想を得た新作歌舞伎を、驚きのデジタル演出と獅童の宙乗りで魅せる。守護するご神木の千本桜をめぐり、千年の時を超えて青龍との戦いに挑む美玖姫と忠信の物語 「ミクさんの歌“千本桜”が流行っていたので、歌舞伎役者ですから『義経千本桜』と結び付けました。デジタルとの融合ですが、扮装も、お化粧も、我々は古典にこだわった作り方で」。

【リミテッドバージョン(配役別)】

今昔(はな)饗宴(くらべ)千本(せんぼん)桜(ざくら) 佐藤忠信:澤村國矢 美玖姫:初音ミク 青龍の精:中村獅一

これまで青龍役で高い評価を得た國矢が主演。青龍役には超歌舞伎の立廻りの演出を担う獅一。獅童は口上に登場する。中村蝶紫が、初音の前役で両公演に出演 「國矢くんは「超歌舞伎」ですごく人気者なので、ぜひ主役の回を作ってほしいと、リミテッドバージョンでは主役を務めてもらいます。実力のある役者なので、こういうことを機会にスターになってもらいたいですね」。

※夏休みシーズンに関西の家族連れから、京都への観光客、また海外からの観客も意識した料金と上演時間で。

【初音ミクとの共演について】

「ミクさん、すごく優秀です。衣裳付けて立廻りもあって、セリフも間がいいし、踊りもどんどんうまくなって。よくマスターしたなと思いますよ。我々が子供の頃から修行していることを、たったひと月で出来ちゃう。しかも、日本にとどまらず海外でも人気のある大スター。そういうすごい方と舞台に立たせていただけるのは、役者にとって幸せなことだし、影響も受けます。素晴らしい」。

この称賛は、そのままスタッフに向けられる。デジタルとアナログチームのスタッフ同士の融合、そして技術の進化。舞台は回を重ねるごとに良くなっていった。が、生身の人間ではないミクと舞台に立つ獅童の難しさは。

「並んでいると、お客様の角度からはすごくきれいに見えるんですけど、僕は見えないんですよ、ボヤ~っとなってしまって。その技術はずいぶん改善されましたけど、最初は音も聞き取りにくく、セリフの終わりもよくわからず、間を間違えたり。ミクさんは決まったセリフを毎回同じタイミングでおっしゃるので、こちらが間違えるとどんどん進んでしまう。生身の人間だったら相手が合わせてくれるけど、僕はミスは許されない。2回ぐらいかぶってしまい、舞台上でミクさんに謝りました。踊りも相手が見えて合わせられるものだし、慣れるまではほんとに大変でした。芝居の“息”、呼吸を合わせる、感じ取ることが難しくて。でも、デジタル、アナログ関係なく、舞台の上に立った時はいつも通りに気持ちを入れてやっています。気持ちが入らないものに対して人は感動しないので。人間とデジタルの融合の感動は、この演目の一番大切なところなのかなと思います」。

うまく行った時の観客、役者、スタッフの感動。「終わった後の役者、スタッフの達成感は何ものにも代えられない」。

【見どころと南座での楽しみ方】

見どころは、「“超歌舞伎”の醍醐味」と言う、立廻りと最後のクライマックス。また技術も「映像が格段にきれいになってます」。NTTの最新テクノロジーによる“分身の術”“変身の術”が、超すごい。観客もサイリウムを振って参加し、盛り上がりは最高潮に。「それがひとつの演出効果となるほど、美しい景色になるんです。普段の歌舞伎ではサイリウムを振ることは絶対ないですけれど、これはカジュアルな気持ちで楽しんでいただければ。参加型です、南座でも是非!」。今回は南座オリジナル・デザインのサイリウムが用意されている。観劇前にゲットしておこう。

また、役者の屋号など声をかける歌舞伎の“大向うさん”のように、「萬屋!」「初音屋!」など、いい時に声をかけるのもOK。「幕張では年々、屋号のかけ方もうまくなり、最後はロックコンサートみたいになって。僕も隅から隅まで走るんですよ。最後に『スタッフさん、ありがとう』って、みんなが言ってくれて感動しました」。

今回の「超歌舞伎」は、すべて南座バージョンで上演。4月に再演された『今昔饗宴千本桜』も脚本を書き換え、南座ならではの演目となり、獅童の宙乗りなど新たな演出も加わる。花道など、南座の舞台機構を生かした演出も期待される。

【メッセージ】

「国境もなく、年齢性別にかかわらず、そこの空間に行けば誰もが楽しめる。南座もある種のアミューズメントパークでいいと思います。南座に行ったことがなくても、その空間に足を運んで歌舞伎という演劇を体感する。歌舞伎上級者の方から、外国の方、歌舞伎を観たことのないお客様など、幅広い世代の方たちに喜んでいただけるエンターテインメントになれば、という思いで作っていきたい。ほかにも楽しいことがたくさんある時代に、わざわざ劇場にお越しいただくわけですから、それだけのものをやらないと。なんとしても、これを南座で成功させたいですね。泣いて笑って、みんなで気持ちがひとつになるという、会場に足を運ぶからこその感動が絶対にあるはずです。南座ならではの感動を目指します!」

なかむらしどう●1972年、東京都生まれ。81年、二代目中村獅童を名乗り初舞台。その後は、古典から新作まで幅広くさまざまな役を勤める。15年に新作歌舞伎『あらしのよるに』に主演、16年からは「ニコニコ超会議」の「超歌舞伎」主演、今年はオフシアター歌舞伎など、古典歌舞伎の新しい可能性に挑戦。近年は映画「デスノート Light up the NEW world」(16年)やアニメの声優、現在放送中のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」に出演するなど多彩に活躍している。

【STAGE】

南座新開場記念「八月南座超歌舞伎」

#期間#8月2日(金)~26日(月) 本公演(一部11:00、二部15:30)

リミテッドバージョン(デイ15:30、ナイト18:00)

#会場#京都 南座

#出演#中村獅童、初音ミク、中村蝶紫、澤村國矢ほか

#価格#本公演:一等席12500円 二等席7000円 三等席4000円 特別席13500円

リミテッドバージョン:S席(1・2階全席)6500円 A席(3階全席)4000円

#問#チケットホン松竹

#電話#0570-000-489

→チケット発売中

取材・文=高橋晴代

撮影=西木義和(関西ウォーカー・関西ウォーカー編集部)

最終更新:7/17(水) 18:50
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