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中日・与田監督の「お前」騒動 大先輩方も“過剰反応”指摘

7/17(水) 5:59配信

デイリー新潮

 改めて騒動をおさらいしておくと、中日の応援団はピンク・レディーの「サウスポー」の歌詞を、〈お前が打たなきゃ誰が打つ〉と替えて応援歌として使用してきた。これに対し、与田剛(つよし)監督(53)が「『お前』という言葉を子どもたちが歌うのは、教育上良くないのではないか」と指摘。その結果、応援団は7月1日、「サウスポー」の使用自粛を発表するに至ったのだった。

 この事態を受け、ネット上では〈他球団の応援歌にも「お前」はある〉〈言葉狩りだ〉〈「お前」じゃなく「あなた」ならいいのか〉等々、批判が殺到。ついには、天下の朝日新聞が〈歌詞「お前」は失礼/中日の応援歌自粛〉と題して報じる社会現象にまで発展した。

 こうして、さだまさしも名曲「関白宣言」を〈♪ラララを嫁に~〉と歌わざるを得なくなるのか、という心配が頭をよぎる今日この頃を迎えているわけだが、所詮、プロ野球の応援歌とはビール片手に贔屓(ひいき)のチームにエールを送る一種のお囃子(はやし)。そもそも「品」が求められるべきものなのか。

「基本に立ち返って」

 中日OBで、自身も監督経験を持つ権藤博氏は一言こう言い放つ。

「私が現役、監督時代にスタンドなんて見たことないし、気にしたこともない。応援は応援団の仕事であって、監督は『お前』がどうとか言ってないで試合に専念してほしい」

 同じく中日OBの田尾安志氏も同調する。

「『お前』と応援されることは全く気になりませんでした。ファンは家族の一員という感覚で、その家族が応援してくれるひとつの表現が『お前』というだけのこと。全く違和感はありませんでしたね」

 両者ともに与田監督の過剰反応だと口を揃えるのだ。

 そんな監督率いる中日は5月以降、借金生活を強いられてBクラスに低迷。7月4日には早くも自力優勝の可能性が消滅して、監督の手腕に疑問符がつけられている。人間誰しも、不振の原因を自身ではなく外部に見出して言い訳し、心の安寧を保ちたがるもの。とはいえ、応援歌に矛先を向けて成績が改善するのならこんなに楽なことはない。

「与田のことは昔からよく知っているので応援しているんですが……」

 と、野球評論家の張本勲氏は、いつもの「喝」よりやや切れ味の鈍い「半喝」を入れる。

「今の中日は何度も同じ走塁ミスをする選手がいたりして、リトルリーグの子でもできる『基本のき』が疎(おろそ)かになっている。それはコーチ、監督の指示の問題です。私の現役時代の野次は『お前』どころか『てめえ』『貴様』が当たり前で、出自に関する差別的なことも言われた。時代は変わっているものの、『お前』とか何だとか外野の声を気にし過ぎず、与田には基本に立ち返って奮闘してほしいね」

「お前」騒動で叩かれ、成績は振るわず、大先輩にも叱咤され……。肩を落としているであろう与田監督を街角で見かけたら、こう励ましてあげてください。

「お前も頑張れよ」

「週刊新潮」2019年7月18日号 掲載

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最終更新:7/17(水) 10:04
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