ここから本文です

ゆりやん「笑いで、世界はつながれる」妄想する二つの人生〈週刊朝日〉

7/21(日) 8:00配信

AERA dot.

 自分に、人生が二つあったなら。

 20代の半ばまで、よくそんなことを妄想していたゆりやんレトリィバァさん。子供の頃からお笑いとハリウッド映画が大好きで、将来はお笑い芸人になる夢と、アメリカで活躍する夢の二つを追いかけた。

「生まれ育ったのは、奈良の吉野です。全部で12人しかいない同級生が、全員吉本新喜劇に入りたかったほどお笑い好きで、小学2年生のときの発表会で、新喜劇の真似ごとをしたんです。そうしたら、結構ウケて(笑)。嬉しい、楽しい、最高という気持ちが体に満ち溢れた。それがきっかけで、お笑い芸人になろうと決めたんです。でも、高校受験のときは、もし志望校に落ちたら、アメリカに留学させてもらって、もう一つの夢であるアメリカ進出に向けて頑張ろうとも思っていました(笑)」

 大学では、映画コースを専攻。「こんな勉強、何の役に立つ? 映画関係の仕事に就けるわけじゃないのに」と愚痴る友人も少なくなかった。共感する部分もあったが、映画三昧の日々を送れることは楽しかった。

 ゆりやんさんといえば、先日、米オーディション番組「アメリカズ・ゴット・タレント」に出演し、審査員相手に流暢な英語でやりとりしたことも話題になったが、英会話は、そのほとんどを洋画から学んだという。

「『このセリフを真似してみよう』『こういう言い方ができたらカッコいいかな』とか、好きで物真似をしているうちに、しゃべれるようになった。だから、“努力して英語を習得した”という感覚はないんです」

 芸人を続けるうちに、「私が妄想していた二つの人生、“お笑い”と“アメリカ進出”を切り離す必要はないんだ」と思えるようになった。

「アメリカでも活動したいですけど、アメリカのお笑いを学んで、アメリカの人を笑かしたいわけじゃない。自分が面白いなと思うことを英語にして伝えてみたいんです。今回も、観てくださった方から、『笑わせてない、笑われてるだけやん』とめっちゃ言われて、私も、『そうやん!』と思います(笑)。お笑いなんやからそんなに深く考えんと、笑ってくれるなら何でもいいと思う(笑)」

 とにかく前向き。小学3年生のときのある経験が、その精神を育んだ。運動会の障害物競走に出場するため、苦手だった鉄棒を、猛練習の末、克服したことがある。「できた!」と思ってからは鉄棒が大好きになった。「人間、“無理や”と諦めなかったら、何でもできると学びました(笑)」

 ゆりやんさんがスペシャルサポーターを務める「スラバのスノーショー」がこの夏、大阪と東京で上演される。世界最高峰の道化師スラバ・ポルニンさんが創作・演出する体感型ファンタジーショーに、過去飛び入り出演したこともある。

「セリフが一つもないショーなのに、客席と喜怒哀楽を共有したような、不思議な感覚がありました。笑いで、世界はつながれるなって思います」

(取材・文/菊地陽子)

※週刊朝日  2019年7月26日号

最終更新:7/21(日) 8:00
AERA dot.

記事提供社からのご案内(外部サイト)

AERA dot.

朝日新聞出版

「AERA」毎週月曜発売
「週刊朝日」毎週火曜発売

「AERA dot.」ではAERA、週刊朝日、
医療チーム、アサヒカメラ、大学ランキング
などの独自記事を読むことができます。

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事