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バスキアの葛藤を新たにひもとく展覧会が、グッゲンハイムにて開催中。

7/18(木) 18:55配信

Casa BRUTUS.com

ジャン=ミシェル・バスキアによる1983年の作品、『マイケル・スチュワートの死』。当時起こったある社会事件に打撃を受け、盟友キース・ヘリングのスタジオの壁に描き殴ったペインティングが、いま〈グッゲンハイム美術館〉で読み解かれている。

1983年、イーストヴィレッジの駅でタギングをしていた黒人グラフィティアーティストが交通警察に暴行を受け、死亡するという残忍かつ理不尽なニュースがNY中を騒がせた。『マイケル・スチュワートの死』、通称『Defacement (ラクガキ)』はそれから一週間も経たずして、バスキアがヘリングのスタジオで壁に描いた作品だ。

非業の死を遂げたマイケル・スチュワートは、自分だったかもしれない……。白人主体の米アート界で大ブレイクの真っ最中だったバスキアの、苦悩と葛藤の爆発ともいえる、きわめてパーソナルなこの作品。36年を経た今、アフリカ系アメリカ人の若年層に対する警官の暴力は減るどころか、トランプ政権誕生以降、増加の一途をたどるアメリカ社会。アートのもつ普遍的なメッセージ性を改めて体感させる展覧会が、この『ディフェイスメント』展だ。

本作のほかアンディ・ウォーホルがこの事件の新聞記事で製作したスクリーンプリントや、キース・ヘリングの1985年制作『マイケル・スチュワート - USA フォー・アフリカ 』、バスキアが敬愛してやまなかったジャズ界のレジェンド、チャーリー・パーカーを描いた作品なども展示する。天才バスキアの心、そして事件が当時の社会に与えた衝撃を、作品や資料を通じ改めて考えたい。

text_Mika Yoshida & David G. Imber

最終更新:7/18(木) 18:55
Casa BRUTUS.com

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