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衛星が生まれる瞬間を初観測か しかも太陽系外

7/18(木) 7:10配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

太陽系から370光年離れた惑星に、周囲を覆うちりの円盤。衛星誕生の兆候

 太陽系外の巨大な惑星に衛星が誕生する瞬間と見られる画像が、初めて撮影された。

 チリのアルマ望遠鏡が撮影した画像には、地球からおよそ370光年離れた小さな恒星を回る若い惑星が写っており、しかもその惑星を取り巻くように塵(ちり)とガスの円盤が包んでいるように見えるのだ。ちなみに私たちの太陽系に関して言えば、今から数十億年前、木星の数多くの衛星が今回、観測された現象と同じような構造で生み出されたと考えられている。

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「この大きな惑星の周囲には、複数の惑星級の大きさの衛星が形成されようとしている可能性は高いでしょう」。先日、学術誌「The Astrophysical Journal Letters」に発表された研究を主導した、米ライス大学のアンドレア・イセラ氏の言葉だ。

「巨大な惑星が、その周囲に衛星を形成する巨大な円盤を持つことは、十分に考えられます」と話す、米スタンフォード大学のブルース・マッキントッシュ氏も、次のように続ける。「この研究の結論は非常に興味深いものです。その可能性は十分高いと言えます」

 米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのショーン・アンドリューズ氏も、この画像が、系外惑星の衛星の誕生を初めて写したものだとする見方に同意している。

惑星を覆う円盤

 恒星の周囲を覆う塵の雲は、これまでも数多く観測されている。こうした構造体は「星周円盤」と呼ばれ、惑星が形成されると考えられている。生まれたばかりの惑星は星周円盤に筋を刻むと考えられており、その痕跡とみられる画像をアルマ望遠鏡は数多く撮影している。ただ、塵からどのように惑星が生まれるのか、その具体的なプロセスについては未解明のままだ。

 しかし、惑星自体を取り囲む円盤が観察されたことは一度もなかった。太陽系外にある惑星を直接撮影することだけでも難しいのに、若い惑星を包むモヤモヤとした塵の雲をとらえるのは、それ以上に困難だからだ。

 イセラ氏らのチームは、今回の研究で、塵(ちり)の円盤に囲まれた惑星系「PDS 70」を詳しく研究した。調査に用いたのは、チリのアタカマ砂漠に設置された66台のアンテナから構成されるアルマ望遠鏡が、2017年に収集したデータだ。惑星系「PDS 70」には、木星ほどの大きさの惑星「PDS 70b」がある。この惑星が、600万歳を迎える小さな主星の周囲を覆う星周円盤から物質を吸い上げているため、円盤と惑星の間には隙間が生じている。

 もう一つの惑星「PDS 70c」は、ほぼ太陽-海王星間の距離で主星の周りを回っている。当初「PDS 70c」の周囲のもやもやとした部分は、ガスが薄く伸びたものだと考えられていた。ところが今年、研究チームが以前とは少し異なる手法を用いてアルマのデータを再処理したところ、不規則な形状のガスと思えたものは、塵のリングであることが判明した。イセラ氏らはこれを「周惑星円盤」だと考えている。周惑星円盤とは、衛星を生み出すもとになる構造体で、中心にある若い惑星は周惑星円盤から物質を吸い上げると考えられている。

「木星の衛星は、若い木星を包んでいた円盤から誕生しました。周惑星円盤は、惑星と衛星の形成に大きな役割を果たしていると、我々は考えています」と、イセラ氏は話す。

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