ここから本文です

懐かしく怪しき香り漂うディープな街 「油麻地」裏通りを行く(香港)

7/18(木) 15:02配信

サライ.jp

1950年代に建てられ始めたという屋上スラム。この油麻地が属する九龍地区に多く存在し、一時は1万数千人が住んでいた。しかし現在はビルの老朽化に伴い取り壊しが相次いでいることから、そこで暮らす人の数はごく僅かだという。屋上スラムを追われた生活者たちは、その後どこへ行き着いたのだろう。

* *

そろそろ休憩。この地で1950年から営業を続ける老舗レストラン「美都餐室(ミドー・カフェ)」に入ってみよう。

そろそろ休憩。この地で1950年から営業を続ける老舗レストラン「美都餐室(ミドー・カフェ)」に入ってみよう。



未だ続く不動産価格の高騰により、閉店、移転を余儀なくされるレストランが多い中、美都餐室はこの70年間ほとんど変わらない姿で営業を続けている。
タイル張りの店内から外を覗くと、向かいの広場で太極拳や将棋を楽しむ人々の姿を望むことができ、激動する香港でここだけ時が止まったようだ。それ故、今まで数々の映画やドラマの撮影場所として使われてきた。

そんな趣あるレストランで6年前、まるで昔の香港映画のような事件が起こった。

2013年のとある日のこと、この店を贔屓にするマフィアのボスが店員と座席を巡りいざこざになった。その場はなんとか収まったが、翌朝、店主が店の鍵を開けた途端、4人組の男が無理やり押し入り、店を滅茶苦茶に破壊。防犯カメラの映像から店を襲ったのは香港マフィア三大勢力の1つ、和勝和の一味であることが判明し即逮捕となった。やはり前日の一件でボスの面子を潰された腹いせに襲撃したようだ。ちなみに目撃者は大勢いたにも関わらず誰も警察へ通報しなかった。その理由が当時の地元紙にある。

「映画の撮影をしていると思った。(通行人談)」

* * *

激動を続ける香港で、ブルース・リーやジャッキー・チェンの映画で見たような麗しく怪しげな雰囲気がいまだ残る数少ないエリア「油麻地」。一度訪れてみてはいかがだろうか。きらびやかなだけでないディープな香港に出会えるはずだ。

文・写真/菅原 悠(海外書き人クラブ/香港在住ライター)
日本でマーケッターを務めたのち、2013年、香港に移住。現地出版社で記者、編集者となる。現在はフリーライターとして活動中。海外書き人クラブ(http://www.kaigaikakibito.com/)会員。

2/2ページ

最終更新:7/18(木) 15:02
サライ.jp

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事