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トランプ「人種差別」論争の裏で進められた不法移民摘発

7/18(木) 18:07配信

ニューズウィーク日本版

<民主党内の主流派と左派の分断を狙ったという見方もあるが、罵倒合戦の裏では不法移民に対する一斉摘発が粛々と実行されていた>

トランプ大統領は、何かにつけて過激なツイートをするので有名ですが、なかでも7月14日に流したツイートは大いに物議を醸しました。ここのところ、大統領への対決姿勢を示している「民主党の『進歩派』女性下院議員」に対して、「(アメリカがイヤなら)自分の国へ帰って、ひどい状態の国を立て直して来い」と挑発したのです。

名指しこそしていませんが、この女性議員が以下の4人を指すことは明らかです。いずれも新人女性議員で、有色人種(非白人)です。

▼アレクサンドリア・オカシオコルテス議員(通称AOC、NY14区、プエルトリコ系2世)
▼ラシダ・トレイブ議員(ミシガン13区、パレスチナ系2世)
▼アヤナ・プレスリー議員(マサチューセッツ7区、アフリカ系アメリカ人)
▼イルハン・オマル議員(ミネソタ5区、ソマリア系移民1世)

問題は、彼女らに対する「自分の国へ帰れ」という発言です。まずオマル以外の3人はいずれもアメリカ生まれの市民ですから、「移民」ではありません。プレスリーについては、カテゴリとしては「アメリカ黒人」ですし、AOCの両親の出身地であるプエルトリコもアメリカです。

ということは、この4人に対して「一括りに」まとめて「国へ帰れ」と言うのは、「有色人種はアメリカ人ではない」というニュアンス、さらには「アメリカは白人の国だから、有色人種は出て行け」という意味になるわけです。このツイートが「人種差別ツイート」だとして批判された背景にはそのようなロジックがあります。

その結果として、この4人はカンカンになって共同で記者会見を行ないました。つまり「トランプが人種差別主義者(レイシスト)」だというのです。これに対して、大統領が「自分の身体にはレイシストの骨なんかないよ」と反論すると、AOCは「その通りね。アンタの身体にはレイシストの骨はない。でも、アンタの頭の中はレイシストの心。そしてアンタの胸にはレイシストの心臓が脈打ってる」と切り返しています。

こうした罵倒合戦ですが、大統領としては「望むところ」のようです。トランプは、この4人に代表される民主党左派が、「パレスチナ人の権利を主張して、イスラエルを批判」したり、「国民皆保険や大学無償化」を主張しているのが気に入らないし、特にこの4人を叩くことで、コア支持層の関心を持続できると考えているようです。

では、このエピソードは、アメリカ政治全体から見るとどのように位置付けられるのでしょうか?

まず、今回の「トランプ対民主党左派」の対決については、トランプとしては民主党内の主流派(ペロシ下院議長など)と左派(今回の4人の新人議員など)の分断を狙ったものという説があります。

どういうことかというと、攻撃すれば当然4人をはじめ民主党左派は怒るだろうし、そうすればこの4人など左派は、以前から一貫して主張している「トランプ大統領の弾劾」を即時実施するように動くだろうという計算です。その場合、ペロシ下院議長など主流派は「弾劾は当面見送り」という立場ですから同調はせず、結果的に「主流派と左派を分断できる」という計算があったというのです。

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最終更新:7/18(木) 18:07
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