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「トランプ大統領は金正恩に利用された」"北朝鮮亡命外交官”は米朝首脳会談をどう見たか?

7/18(木) 11:00配信

文春オンライン

 6月30日、アメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が、板門店にある南北の軍事境界線で会った。トランプ大統領は金委員長と一緒に軍事境界線を越え、10メートル余り北朝鮮の領土に歩いて入った。韓国の文在寅大統領もその場に立ち会い、歴史的な瞬間を見守っていた。

【写真】板門店南側地域の「自由の家」で会談する金正恩委員長とトランプ大統領

 1953年の朝鮮戦争の停戦協定締結以来、66年間にわたり分断の象徴だった板門店でアメリカ・韓国・北朝鮮という3首脳が会ったことには、それなりに意味があると言えるだろう。

北朝鮮非核化へ懐疑論を唱える脱北外交官

 だが一方で、通算3回目となった今回の板門店での米朝首脳会談の成果は「2~3週間内に実務チームを構成して交渉を進める」というもので、内容はほとんど無かったと言っていい。それどころか、会談後にアメリカ・ワシントンでは、今後の先行きについて懸念する声が出始めている。

〈アメリカ政府の対応は、北朝鮮を「核保有国」として黙認しているに等しいではないか〉

〈アメリカ政府が当初の目標にしていた北朝鮮の完全な非核化(FFVD)に及ばない中間段階で、暫定合意をしてしまうのではないか〉

 韓国内でも、同様に北朝鮮の非核化への懐疑論が出ている。その代表格が、約3年前に北朝鮮から韓国に亡命した、歴代最高位の脱北外交官・太永浩氏(56、元駐英北朝鮮大使館公使)だ。

 太氏は6月13日、北朝鮮指導部の暗部を暴いた著書『 三階書記室の暗号 北朝鮮外交秘録 』(文藝春秋刊)を日本で出版し、19日に初来日を果たした。太氏は“6.30板門店会談”の後、韓国のケーブルテレビ「チャンネルA」に出演し、次のように語っている。

「今回は1972年のニクソン大統領の再現だ」

「トランプ大統領が北朝鮮の地に足を踏み入れることは、北朝鮮が“核保有国”としての地位を獲得するということです。北朝鮮が核保有国という立場を固める戦略に、トランプ大統領は戦略的に利用されました」

「私はこれ(トランプ大統領が38度線を越えて足を踏み入れたシーン)を見て、1972年にアメリカのリチャード・ニクソン大統領が初めて中国を訪れ、その地に足を踏み入れた姿を思い出しました。『今回のトランプ大統領は1972年のニクソン大統領の再現だ』と私は考えています。1967年に中国が水素爆弾実験に成功し、アメリカと中国には核対決構図が形成されました。そして、ニクソン大統領が中国を訪問したのです。当時、中国は『アメリカが白旗を持って訪ねてきた』と認識していました」

「6月30日に板門店で米朝首脳会談が行われた瞬間、世界中のメディアが『ついに平和の時計が再び動き出した』と歓声を上げましたが、私の考えは逆でした。多くの人たちの歓喜の中で、私の懸念は深まったのです。平和は平和かもしれないが、一体どんな平和なのか。『北朝鮮の非核化が空転した末の平和』『“北朝鮮が核を持っている平和の時代”がとうとう稼動し始めた』と思ったのです」

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最終更新:7/18(木) 11:00
文春オンライン

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