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見えなくなって、手遅れに…白内障を「放置」するリスクとは?

7/18(木) 7:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

「ものがぼやけて見える」「目がかすむ」「光がいつもよりもまぶしい」など、気にはなりつつも、見過ごしてしまっている「目」についての悩みはないでしょうか。そんな悩みを抱えたままでは、日々の不安が募るばかりです。本連載では、白内障・緑内障・網膜剥離手術に強みをもつ、はんがい眼科・院長の板谷正紀氏が、眼病の症状やその対処法について解説します。

白内障を放置すると、手術・合併症リスクが高まる

現在の白内障手術は、「日帰り手術」が普及したこともあり、以前に比べると手術を受けることのハードルは低くなっていると感じます。

一方で、大事な目を手術するということで、恐怖感や抵抗を覚える患者さんも少なくないようです。「右目はかなり見えないけど、左目が見えるから、なんとなく怖さもあって手術を先延ばしにしている」――そんな方も多いのではないでしょうか。

しかし眼科医の立場からすると、見えないのにあまり長期間、白内障を放置しておくのはおすすめできません。通常の白内障手術がむずかしくなったり、合併症のリスクが高くなったりすることがあるからです。

実際に白内障が高度に進行し、「成熟白内障」や「膨化白内障」と呼ばれる状態になったケースを、はんがい眼科では手術の難易度が高いハイリスク白内障の1つに分類しています。今回は、この「成熟白内障・膨化白内障」とはどういうもので、なぜ白内障手術を難しくしてしまうのか、詳しく解説していきたいと思います。

進行すると、濁りが強くなり水晶体が大きくなる

目に入った光を屈折させるレンズの働きをしているのが、目の中の「水晶体」です。

水晶体の内部は中央に核と呼ばれる部分があり、その周りを皮質がとりまいています。水晶体全体は薄い膜(ふくろ)に包まれていて、ふくろと周りの筋肉との間をチン小帯という細い線維状の組織がつないで水晶体を支えています。

水晶体はもともと透明な組織ですが、加齢などの原因により、核や皮質に濁りが出てきてしまいます。これが白内障です。

白内障は、初期のうちは水晶体の濁りは一部にとどまりますし、濁りの程度もごく軽いものです。そのため、かなり進行するまで気づかないこともありますし、気づいて眼科の診断を受けたとしても、日常生活にそれほど支障がなければそのまま放置してしまう方もいます。

しかし、白内障は徐々に進行していく病気であり、時間が経つほど(年齢が高くなるほど)濁りの範囲が広くなり、濁りの程度も強くなります。

それだけでなく、白内障が進むにつれ、水晶体は硬く大きくなります。水晶体の中身を構成する細胞の1つである水晶体上皮細胞が、線維細胞をどんどん生産し続けるにもかかわらず、その細胞を排泄することができないためです。繊維細胞はどんどん内側に押し込められ、中心の核がどんどん硬く、大きくなっていくのです。

このようにして白内障が高度に進んだ状態が「成熟白内障」です。なかには、水晶体の中身が溶け始め急激に成熟してくるケースがあり、これが「膨化白内障」です。

進行がはやければ膨化白内障を疑わないといけません。白内障を成熟させたり、膨化させてはいけません。その前に手術してハイリスク白内障になるのを予防しましょう。

◆水晶体の全体が白濁する成熟白内障

白内障が進行し、水晶体全体が白濁した状態です。外から見ても瞳孔が真っ白に見えます。白内障という病名の由来は成熟白内障なのです。ここまで進行すると、ほとんど何も見えなくなります。

また、なかには水晶体が非常に硬くなって手術が困難になるケースもあります。場合によっては、水晶体の皮質の部分が溶け出してくることもあります。そこまで進行した場合は過熱白内障と呼ばれるようになります。溶け出した水晶体の中身が外に漏れると、水晶体誘因緑内障になります。

◆急激に水晶体が膨らむ膨化白内障

水晶体が大きく膨らんでいく症状の白内障です。水晶体は加齢により徐々に大きくなっていくものですが、膨化白内障は短期間で急激に膨化が進むタイプの白内障です。手術を数週間引き延ばしただけで、症状が進行して手術が困難になってしまうことがあるので注意が必要です。

水晶体が膨化していると、水晶体を包むふくろがパンパンになり、内部の圧力が高まっているため、水晶体のふくろを丸く切る「前嚢(ぜんのう)切開」のときに、ふくろが裂けやすくなります。運が悪いと、ふくろが真っ二つに裂けて水晶体の中身が目の奧に落下します。

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最終更新:7/18(木) 7:00
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