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東京発「キディル」のパリコレデビューに密着1日目 モデルオーディションは70人相手にてんやわんや

7/18(木) 20:00配信

WWD JAPAN.com

末安弘明が手掛ける東京のメンズブランド「キディル(KIDILL)」は6月20日にパリで、2020年春夏コレクションをショー形式で発表した。東京のファッション・ウイークで数々のショーを開催してきた同ブランドだが、海外での発表は2回目。初挑戦は19年1月のパリ・メンズ期間中にオフスケジュール(公式スケジュール外)でプレゼンテーションを行い、2度目は満を持してのショー形式での発表だ。世界中からブランドが集まるパリ・メンズの公式スケジュールには新参者が入る隙は現在なかなかないうえに、タイトな予定のためオフスケジュールに足を運ぶ業界人は少ない。1月に初めてパリでプレゼンテーションを行う前に末安デザイナーは「おそらく、見に来てくれる人は少ないと思う」と笑いながらも、主にバイヤーに向けてパリでの発表に臨むと意気込んでいた。ショーにかかるコストも当然安くはなく、今回かかった費用は合計約1000万円。リスクも高いため、出資者やサポートもなく自費でパリ進出するブランドは少ない。しかし、「キディル 」は2シーズン続けて自費で挑戦した。パリで発表する意義や成果、そして異国の地で自己流にショーを作り上げる過程を見届けるため、末安デザイナーにショー当日までの3日間密着した。

【画像】東京発「キディル」のパリコレデビューに密着1日目 モデルオーディションは70人相手にてんやわんや

"15畳のアパート1室にモデル70人をキャスティング千本ノック"

「キディル」のショーはデザイナー末安弘明とスタイリスト島田辰哉の二人三脚で作られる。ショー本番2日前、島田が滞在するパリのマレ地区にあるアパートメントの一室でキャスティングが行われた。15畳ほどの部屋にはコレクションのサンプルが並べられ、朝から日が暮れるまで一日中モデルがひっきりなしにやって来る。モデルは部屋に入ったらすぐにコンポジットを末安デザイナーに手渡す。コンポジットとは、ポートレート、全身写真、3サイズとモデル事務所が書かれた、モデルにとって名刺代わりになるものだ。モデルの雰囲気、身長、体形、肌の色を考慮して、2人で試着するルックを検討する。ルックを着用したモデルを見ながら「この人の場合サングラスは無しの方がいいかも」「トップスを違う色に変えてみよう」などと二人で相談しながら、キャスティングの途中にも細かくルックを改善して、コレクションがどんどん磨かれていく。「今回のショーで採用したいモデルは、ストリートで見かける普通の男の子というよりも、顔立ちが整っていてどこか貴族っぽい、気品を感じるような男性を求めている。血の気がなく平気な顔して人を刺すような、不気味な感じにしたくて」と話す末安デザイナー。パリコレ会期中には、一流から駆け出しのモデルまでが世界中から大集結するとあって「狭いスペースにこんなに大勢が来るとは想定外だった」と反省しながらも、期待以上に質の高いモデルがキャスティングに来たことに満足気な様子だった。

予算に余裕のあるブランドは、キャスティング時にルックを着用する手助けをしたり、サンプルを整理したりするためのアシスタントを雇うが、「キディル」は全て2人で進行した。また、モデルのブッキングはキャスティング会社に依頼することが多いものの、その部分もカットしたようだ。モデル1人のブッキング費用は700~1200ユーロ(約8万5000~15万円)が相場。エージェンシーによってはインスタグラムに掲載するか否かでさらに追加料金が発生した。今回のショーでは知人の紹介で本物のゴスバンドのミュージシャンや、海外コレクションでストリートスナップを行う日本人の服部恭平などをモデルとして起用したため、結果的にプロモデルは12人をブッキングした。数名のモデルは2ルック着用するなど、工夫を凝らして予算内に収めた。

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最終更新:7/19(金) 20:33
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