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アベノミクスが百貨店にもたらした変化 

7/18(木) 18:00配信

WWD JAPAN.com

2019年は全国で10以上の百貨店が閉店する。2ケタ台に乗るのは、リーマンショックの余波を受けた2010年以来だ。百貨店の市場規模はピークだった1991年の9兆7310億円から2018年は5兆8870億円へと4割も減った。「ユニクロ(UNIQLO)」「ザラ(ZARA)」のようなグローバルSPA(製造小売り)の勢い、「アマゾン(AMAZON)」「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」に代表されるECの革新性に比べると、百貨店は旧態依然とした印象が強い。

【画像】アベノミクスが百貨店にもたらした変化 

ただ、百貨店を斜陽産業と片付けることは早計だ。最近の取材で痛感するのは、百貨店の中での明暗である。地方・郊外店は客離れに歯止めがかからないのに対し、大都市の旗艦店は好調な業績を残している。屋台骨である衣料品が振るわないのに対し、ラグジュアリーブランドや化粧品は売れに売れている。百貨店に何が起きているのか。

"中間層の崩壊、衣料品の縮小"

「WWDJAPAN.COM」では毎月、百貨店大手5社(三越伊勢丹、高島屋、大丸松坂屋百貨店、そごう・西武、阪急阪神百貨店)の月別売上高を報じているが、この数年、記事の傾向はほとんど変わらない。多少の凸凹はあるものの、前年同月の実績に対して衣料品がマイナス、ラグジュアリーブランドや時計・宝飾、化粧品が2ケタのプラスといった状況が続く。衣料品は暖冬・冷夏などの影響があればマイナスとなるのは当たり前として、平年並みの天候でもマイナスという場合が多い。一方、ラグジュアリーブランドや時計・宝飾、化粧品は天候に関係なく売れる。

百貨店における衣料品の売上高は08年に2兆7133億円だったが、18年には1兆7725億円に縮小した。百貨店が得意としてきた“中の上”の衣料品は、中間層の百貨店離れが打撃になって落ち込んでいる。主力だった団塊世代が高齢化し、それに代わる若い世代を呼び込めていないからだ。

大丸松坂屋百貨店の好本達也社長は、衣料品頼みは限界だという。「(かつては)衣料品のフロアが一番もうかっていた。通常3~5階にある婦人服や紳士服が店舗の収益の源泉だった。地下の食品や上層階のレストランのフロアは、にぎわっていても構造的に利益は少ない。だが、この十数年で稼ぎ頭だった衣料品がみるみる失速し、収益のバランスが崩れた。これは一時的な現象ではない。一方でラグジュアリーブランドや化粧品、時計のゾーンが成長を遂げている」。

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最終更新:7/22(月) 17:03
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