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カナダはなぜ消費税を引き下げることができたのか。カナダ人記者が指摘する、日本の財政問題に必要な視点

7/18(木) 6:20配信

週プレNEWS

今年10月に予定されている消費税率10%への引き上げの是非が、参院選でも大きな争点のひとつになっている。巨額の財政債務を抱える日本にとって消費増税は必要だとする声がある一方、日本経済がデフレから脱却できていない現状での増税に反対する声、さらには消費税そのものの廃止を訴える声まで、この問題に関する姿勢は政党によってさまざまだ。

日本で長く活動する外国人ジャーナリストはどう見ているのか? 「週プレ外国人記者クラブ」第143回は、元「ニューヨーク・タイムズ」東京支局記者で、現在は「アジア・パシフィック・イニシアティブ」客員研究員を務めるカナダ出身のジャーナリスト、ジョナサン・ソーブル氏に聞いた──。

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――経済紙「フィナンシャル・タイムズ」などで記者を務めた経験もあるソーブルさんは、日本は消費税率を引き上げるべきだと思いますか? また、仮に増税が必要だとしても、そのタイミングは「今」なのでしょうか?

ソーブル 残念ながら、私自身、その質問に対する明確な答えは持っていません。ただ、その上で、いくつかの前提を設けてお答えしたいと思います。

まず、一般論としてお話すれば、巨額の財政赤字と共に少子高齢化という問題を抱える日本が、この先、社会保障などのセイフティネットを維持してくためには、どうしてもお金が必要です。プライマリーバランスの健全化、財政均衡を目指すのであれば、安定的な財源となる消費増の増税がひとつの手段であるのは事実でしょう。

また、日本の消費税に近い「付加価値税(VAT)」制度を持つ他の先進国に比べて、消費税率10%というのは決して高いほうではないのも事実。ヨーロッパ諸国などには税率20%を超える付加価値税を課している国も少なくありませんから、決して「税負担が大きすぎる」というわけではないと思います。

増税のタイミングに関しては「今できないなら、いつまでもできないんじゃないか?」と考えています。確かに今の日本が、景気がいいのか、悪いのかについては議論がありますが、一般的に言えば、少なくとも「景気が悪い」とは言い難い。そう考えれば、今、税率を引き上げることはそれほど悪くない。むしろ、何度も何度も消費増税を延期しつづけて、問題を先送りするのも良くないとも思います。

根本的な問題は、日本では財政の話になると必ず、「消費税をどうするか」という非常に狭いところの話になってしまうことです。しかし、そもそも財政均衡は絶対に必要なのか、税収以外の国家の収入源についても、もっと考えるべきではないのか、もう少し柔軟に広い視点で考える必要があると思います。

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最終更新:7/18(木) 6:20
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