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小売業界は時給2000円を目指せ!

7/19(金) 5:00配信

商業界オンライン

  参議院選挙も終盤を迎えているが、与野党の公約で最低賃金の引き上げを掲げている点が目立つ。現在は最高が東京都の985円、最低は鹿児島県の761円、全国平均で874円。各党が掲げている目標は1000円以上で、引き上げ幅や達成時期についてはばらつきがある。

 与党第一党の自民党は毎年3%ずつ引き上げ、全国平均1000円を目指す。16年度から18年度は政府の方針で3%ずつ上げており、それを踏襲する目標で、このペースでいくと5年かかるが、そのために生産性を上げる中で、全国で引き上げる状況を作っていきたいとしている。公明党の公約は2020年代前半に平均1000円超、⒛年代半ばには過半数の都道府県で1000円以上で、自民党の毎年3%引き上げと合致。 最低賃金 の着実な引き上げにより、家計所得の確実な向上を図りたいとしている。

 一方、野党では立憲民主党が5年以内に1300円を掲げ、家計を豊かにする経済に変えていきたいとしている。国民民主党の公約は全国どこでも1000円以上の早期実現を目指す。日本共産党は地方間格差が広がった現状を考え、地域別ではなく全国一律賃金に変更し、1500円を掲げ、社民党も同じく1500円を目標としている。
 この最低賃金を公約に掲げる6党は、収益悪化や雇用の減少など影響が懸念される中小企業への支援を明らかにしている。

 7月4日の厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会において、 根本匠 厚生労働大臣も、「成長と分配の好循環の継続、拡大に向けて、最低賃金の引き上げは非常に重要だ」と発言した。

まずは小売業の収益力を向上させることから

 最低賃金は過去3年引き上げが続き、今後もこの流れは加速していくことが予想され、小売業にも大きな影響を及ぼすことが考えられる。

 そこで問題となるのがパートタイマーやアルバイトといった非正規雇用の労働者。スーパーマーケットのパート比率は70%を超え、コンビニの店舗従業員の大半はアルバイトであるように、店舗の運営は彼らなくしては成立し得ないのが現状で、他の業態も同様な状況である。

 最低賃金の引き上げは人件費増となり経営を圧迫する要因となるが、既に人手不足により時給水準は上昇しており、経営者にとっては頭の痛い問題となっている。こうした事態を打開すべく、セルフレジや自動発注に代表される省人化が図られ、無人店舗の実験を始まっているが、まだまだ多くの人手を要する構造から脱しておらず、この状況は当分続くと思われる。

 これを、観点を変えて働く側から見てみると、そこにも大きな問題がある。

 それは勤労者の約4割は非正規雇用で、正規雇用者とは待遇格差があることだ。厚生労働省は同一労働同一賃金の導入で、不合理な待遇差の解消を目指そうとしており、福利厚生、キャリア形成・能力開発などを含めた取り組みも必要であると考えて、ガイドラインを提示している。

 これまで小売業はパート・アルバイトに限らず、契約社員、派遣社員といった非正規雇用も活用し、最大限に人件費を抑え、収益を確保してきた。その結果、非正規雇用者の比率は一貫して上昇してきたわけだが、小売業は周知のように労働集約産業で労働生産性は極めて低い。

 過去を振り返ると、業務の効率化などによる改善の取り組みがなおざりになってきた点は否めない。労働生産性が低いが故に賃金が低い非正規雇用の増加をもたらしてきたといえ、この問題の解決なくして、非正規雇用の待遇改善は進まないのは明らか。同一労働同一賃金の実現は夢のまた夢である。

 現状ではパート・アルバイトは欠かせない人材で、正社員と同等もしくはそれ以上の戦力となっている場合もあり、その活用に向けて処遇、能力開発などさまざまな取り組みがなされていることも事実である。しかし、あくまでもそれは限定的なもので、正社員との格差を完全に埋めるまでには至らない。

 その抜本的な解決には、まず小売業の収益力向上が何より必要になる。

 昨今、コンビニの24時間営業が社会問題となる中、チェーン本部と加盟店オーナーの利益分配による収益構造の格差も改めて浮かび上がった。コンビニはフランチャイズビジネスであり、本部は店舗の運営には直接関わらず、小売業の労働生産性の低さというくびきから逃れ、情報・サービス提供と商品供給のみを担うことで高収益を得ている。

 この不均衡がある限り、加盟店オーナーは人手不足が続き、今後も苦難の道が続くだろう。こうした状況を打破するために、営業時間短縮、一部で無人店舗の実験も行われているが、実現はまだ先のことだ。

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最終更新:7/19(金) 5:00
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