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「働き方改革」で想定されるしわ寄せ・弊害とは

7/19(金) 7:30配信

日本の人事部

政府が進める「働き方改革」には、多種・多様なメニューがあります。しかし、これまでにない新しい制度・施策を導入することによって、何かしらのしわ寄せや弊害が起きるのも事実。「働き方改革」の抱える問題点については、以下のようなことが想定されます。

(1)同一労働同一賃金

【人件費の増加】
これまで非正規労働者の賃金は正規労働者と比べて、「立場」や「職責」が違うという名目の下、低く抑えられてきました。「同一労働同一賃金」になることによって、非正規労働者の賃金が増え、トータルとしての人件費が増加します。また、有給休暇取得の義務化により、代替要員を雇うようになると、企業の人件費負担はより大きくなることが予想されます。

【正規社員からの反発】
一般的に日本企業では、労働契約書を交わす際に職務記述書(ジョブ・ディスクリプション)を取り交わしません。そのため、「同一労働」の定義が明確でないと、業務範囲以外の「グレーゾーン」の仕事は正規社員が担うことが多くなり、処遇の定め方によっては反発を招くことが予想されます。

(2)長時間労働の是正、有給休暇の強制

【従業員のモチベーション低下】
罰則規定が設けられたことで、単純に長時間労動の是正や残業時間の削減だけを求めると、従業員のモチベーションが低下する懸念があります。「人件費削減が目的ではないか」と疑心を生むことになり、実際に残業代が減ることになった場合は働くことへのやる気が失われ、「不機嫌な職場」が蔓延(まんえん)しかねません。

【持ち帰り残業増加の懸念】
技術革新が進んだことにより、近年の仕事はプロセスが煩雑で必要となる文書作成が増えています。仕事の中身は以前よりも難易度が格段に上がっています。そのような状況で残業時間が削減されると、期日に間に合わせるため、家に仕事を持ち帰ってしまうケースが出てくるかもしれません。

【管理職や優秀な人材へのしわ寄せ】
「働き方改革」は、従来の働き方や雇用慣行、人事制度の見直し・改正を求めることになるので、企業と従業員の双方に「負荷(労力)」がかかります。例えば長時間労働の是正を目指そうとするとき、業務量と人員がこれまでと同じであれば、スケジュール通りに仕事が進まないこと可能性もあります。結果的にそのしわ寄せは管理職や優秀な人材など、特定の人に集中することになり、業務に弊害が出てしまうかもしれません。このような状態が続くと、組織の生産性は確実に悪化します。有給休暇を強制的に取らせることも、同様の影響が懸念されます。

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最終更新:7/19(金) 7:30
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