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水風呂に入らないのは損!? サウナ大使が語る『サ道』のすすめ

7/19(金) 12:04配信

FRIDAY

サウナに興味がなく、むしろ苦手意識を持っていた主人公・ナカタアツロウ(原田泰造)は、ある日謎の男「蒸しZ」(宅間伸)に出会い、サウナの本当の気持ちよさを知ってしまう。
サウナにどっぷりハマり、全国の人気施設を巡るほどになったナカタは、サウナ仲間である「偶然さん」(三宅弘城)や「イケメン蒸し男(お)」(磯村勇斗)といった個性的な面々とサウナトークを繰り広げつつ、サウナの道=“サ道”を追究していく――

ドラマ原作『マンガ サ道』 始まりの“0話”を公開中

『マンガ サ道 ~マンガで読むサウナ道~』は、マンガ家・タナカカツキさんが自身をモデルにし、実体験をもとにサウナの魅力を描いた作品だ。サウナを愛する“サウナー”ならば、誰もが読んだことのある“サウナの伝道マンガ”である。

7月19日からは、実写ドラマの放送も開始する。“サウナ好きによるサウナ好きのためのドラマ”を目指したというドラマ『サ道』(テレビ東京他・毎週金曜0:52~)には、キャスト・スタッフともに芸能界きってのサウナ好きが集結している。(※上記()内は実写ドラマのキャスト名)

全国各地の人気施設を巡るほか、サウナーであれば誰もが会いたい「サウナ界の重鎮」も登場するということで、サウナ好きから熱い注目を浴びているドラマ『サ道』。今回は、原作者であり、日本サウナ・スパ協会から“サウナ大使”にも任命されているマンガ家・タナカカツキさんを直撃取材!

「サウナって、イマイチどう入ったらいいのか解らないんです」と、のっけから全国のサウナー及び『マンガ サ道』読者に喧嘩を売るような筆者のこの発言にも、タナカさんは「解んないですよね、僕もそうでした」と真摯に答えてくれた。

「最初からサウナが好きな人って、なかなかいないと思うんです。入り方とかも誰も教えてくれませんし。そもそも、生き物として不快な状況じゃないですか。蒸されて暑いし、水風呂は冷たいし……それが、だんだん水風呂に慣れてくると、気持ちよくなってくるんです。蒸されたあと、キュッと冷やされて、それでととのっちゃうんですね。

水風呂が苦手、って方もいると思うんですけど、入らないで帰るのは本当にもったいないと思います。あれはただ水を溜めてるだけじゃなくて、専用の機械で最適な温度に冷やしてるんです。あの量の水を冷やすのに、すごいお金かけてるんですよ。冷たさをキープして、ちゃんと『ととのう』状態に持っていけるように、っていう日本のサウナの工夫の賜物なんです。もっと入る人が増えてほしいですね」(『マンガ サ道』作者・タナカカツキ)

うぅ~む、まさか水風呂がそんなにゴージャスかつ重要な場所だったとは……これは今後、温浴施設に行った時に水風呂を見る目が変わってくる。「もはや水風呂がメイン」というタナカさんの言葉にも納得だ。

しかし、こんなサウナーとも言えない筆者のような初心者でも、サウナ&水風呂で、マンガのように「ととのう」ことができるのだろうか? いや、そもそも「ととのう」ってどういう感じなんだ? 気になるそこを詳しく聞いてみると、「難しいんですよね~」と首をひねられた。

「『ととのう』って感覚は、僕もいまだにどう表していいのか解んないんです。ととのっている時って、覚醒しているのに、気持ちは落ち着いてる、すごい不思議な状態なんですよ。『ととのう』を使いだす以前は『ニルヴァーナ』とか『恍惚』って表現してたんですけど、なんか違うな~と思っていて……。

恍惚みたいなテンションではないし、ニルヴァーナみたく聞きなれない感じでもないな、って。もともと『ととのう』って言葉はサウナーの間では言われていて、浸透していたんです。『一般用語で言えてるな』と思って、それを拝借して使わせていただいているという」(タナカ)

「ととのう」が、そんなにもサウナーの間で親しまれていた言葉だったとは。こうなると俄然、ドラマ予告動画での原田泰造さんのように、「ととのった~」と心底気持ち良さげな声で言ってみたくなる。

原田さんをはじめ、スタッフ・キャストともにサウナ好きが集結している『サ道』だが、ドラマ化の経緯やキャスティングについてもタナカさんに聞いてみた。

「マンガになる前の、エッセイの頃からドラマ化のオファーは沢山ありました。でも、毎回企画が頓挫してきていて。そんな過去があったので、『もうないだろうな』とまったく油断してたところに来た感じでしたね。プロデューサーの五箇公貴さんとは知り合いだったし、信頼していたのですぐOKを出しました。

『出演者にはサウナ好きを集めたい』っていうのも、当初からそういうコンセプトで行きたいという話で……“サウナ好き”ってなったら人選は限られてくるだろうな、とは思ってたんですけど、結果よく知っている人が集まりました。『偶然さん』役の三宅くんなんかもう、25年くらいの付き合いですしね。小劇場の役者として、ある時期を一緒に過ごしました。

あの時から三宅くんはサウナーで、僕はまだサウナの良さが全然解ってなかったから『なんでこんな何回も入るんやろ?』って思ってて……なので、サウナーの大先輩ですね、三宅くんは。会う約束とかしてなくても、サウナ室に行くとよく鉢合わせるんですよ。そういうの、サウナ好きには結構多いです」(タナカ)

よく会う場所がサウナとは、サウナーならではの体験だ。そう考えると、作中でのナカタ氏や偶然さん、イケメン蒸し男の世代や立場を越えた交流も、サウナという空間ならではの“サウナーあるある“と言えるのだろう。

信頼できるキャストとスタッフが揃い、ドラマ版に全幅の信頼を置いているタナカさん。期待しているポイントを聞くと、予想外の答えが返ってきた。

「実は僕、ドラマから物凄く影響を受けたいと思っていて。ドラマって、ストーリーを語るものじゃないですか。主人公が何に困ってて、何を乗り越えるのか、どこに向かうのか、とかそういう……でも、『マンガ サ道』って、掲載10Pでサウナ縛りなので、サウナの説明だけで大体終わっちゃうんです。主人公の目的もなければ、葛藤も、乗り越えるべき障害もない。ストーリーがないんですよ。

原作がこんな感じだから、ドラマスタッフはまったく新しく作り直すしかないじゃないですか。だからそこを凄く期待してます。『この話の核には何があるんだ?』『主人公、何に葛藤してんだ?』ってドラマから逆に知りたいし、影響を受けまくりたいと思っています」(タナカ)

その宣言通り、もう既にドラマからの影響を実感しているというタナカさん。「マンガのネームを描いていると、キャストさんの演技だったり喋り方に引っ張られているのが自分で解るんです。今もうドラマの方に寄りすぎていて、『マンガ サ道』じゃなく『ドラマ サ道』を描いているようなものです。元を忘れちゃったっていう(笑)」と冗談を交えて語りつつ、映像ならではの見どころもしっかり語ってくれた。

「やっぱり、漫画では表現できないことってあるんですよね。ちょろちょろ流れてる水の音とか、桶が当たるあの音が響いて、エコーがかかってて、すごく気持ち良い状態とか……。サウナ独特の湿度であるとか、湯気だとか、水面の揺らぎとか光とか、そういう“心地よさ”っていうものが映像で表現されているので、そこは見どころだと思います」(タナカ)

『マンガ サ道』とはまた違った表現で、サウナの魅力を届けてくれるドラマ『サ道』。既にどっぷりサウナにハマっている方々は元より、まだ目覚めていないそこのアナタも、謎に包まれた“サウナー“の生態をこっそり覗くような気持ちでご覧いただきたい。

もし見終わった後に、「サウナ、ちょっと行ってみたいな」と思ったら、それはサウナーへの第一歩。筆者も今度スパに行った際には、サウナ室の前を素通りせず、水風呂を敬遠せず、「ととのう」を追い求めてみたい。

取材・文:大門磨央/石川県出身。雑誌やWEBを中心に漫画、アニメ、映画などのコラムを執筆中

最終更新:7/19(金) 16:25
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