ここから本文です

「一球入魂タイプ」じゃない会社員こそ自由になれる理由とは

7/19(金) 11:00配信

文春オンライン

 少子高齢化が本格化し、AIなどのテクノロジーに仕事を奪われることが当たり前になった今、ある日突然、会社どころか、業界ごと消滅してもおかしくない時代を迎えている。

【写真】この記事の写真を見る(6枚)

 そしてすでに、“業界丸ごとの沈没”が始まっているのが、新聞や出版などのメディア業界だと、元マイクロソフト社長で、HONZ代表の成毛眞氏は言う。

 若い人はまだいい。凋落する業界で働くミドルはそこでどう決断すればいいのだろうか。定年まで、恐怖に震えながら必死に耐え忍んでいくべきか? それとも沈む船からいち早く脱するべきか?

 ベストセラーを手がける編集者で、ネットメディアをプロデュースする身でありながら、突如“日経BP社”を退職し、大学教授に転身した柳瀬博一氏の話からそのヒントを探ろう。

※本稿は、成毛眞『 決断 』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。

たまたま入社、たまたま異動、そしてたまたまの「教授転身」

成毛 大学でのポストが決まり、日経BP社を辞めるときの「決断」は悩まないというか、もう喜んで、という感じ?

柳瀬 悩むふりをしつつ内心では「行く」と最初から決めていた、と申しますか。そもそも30年間のサラリーマン生活も、自発的に始めたわけではなかったですし。

成毛 柳瀬さんの場合、大学へのお誘いを含め、とにかくいろんなことが、向こうから来ていますよね。いい意味でも悪い意味でも。本人が狙っていたわけじゃないところが可笑しいのですが。

柳瀬 たまたま入社、たまたま異動、たまたま声をかけられた、とか。ヒットした本も、「自分で著者を見つけてきた」ということがあまりない。自社の雑誌から面白いものを見つけて「紹介してよ」と頼んだことはたくさんありますが。見ず知らずの有名作家の著作を全部読んだあと、手紙を出すようなタイプの編集者ではなかった。そういうエネルギーがまったくなかったし。

成毛 必要なタイミングで「斜め上」から、誰かが弾を打ってきてくれた。でも、それこそが大きな意味での編集なのかもしれないね。

柳瀬 自分自身のことを、決して「面白い人間」「すごい編集者」と思っていない、ということもあります。面白いことはいつも外から飛んでくる。そして僕は、飛んできた球をとりあえず全部打つ。お声をかけてもらえたら「やります」の一択。基本的に断らない。

1/4ページ

最終更新:7/19(金) 11:00
文春オンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事