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日本代表キャップ総数197 ラグビー界のレジェンド3人が挑む新たな育成指導とは

7/19(金) 12:03配信

THE ANSWER

元日本代表の箕内氏、小野澤氏、菊谷氏が主宰する「ブリングアップラグビーアカデミー」

 コミュニケーション能力があり主体的に状況判断ができる人間を育てたい――。そんな思いから始まったラグビーアカデミーがある。それが「ブリングアップ(BU)ラグビーアカデミー」だ。主宰するのは、ラグビー元日本代表の箕内拓郎氏、小野澤宏時氏、菊谷崇氏。3人合わせて日本代表197キャップというラグビー界のレジェンドたちは、ラグビーというチームスポーツを通じて小中学生のジュニア世代に何を伝えていきたいのか。

【図表】2019年ラグビーW杯日本大会プール組分け

 BUラグビーアカデミーが産声を上げたのは、2018年5月、東京都調布市でのこと。ラグビー界が誇るスター3人がコーチを務めるとあって、保護者の中にはいわゆる技術指導を期待する声もあったという。菊谷氏は笑いながら振り返る。

「今でこそないですけど、初めの頃は『タックルの練習はいつですか?』『ブレイクダウンの練習は?』と質問されることもありました。そのたびに『タックルもブレイクダウンも練習しないんですよ』と伝えていました」

 ここで重視するのは、ラグビー以上に人間力のスキルアップだ。楕円のボールを後ろにパスしながら、全員で前方のゴールを目指すラグビーで、最も大切なものは瞬時の状況判断とコミュニケーション能力。毎月決めたテーマに沿って行われる週1回の練習では、主人公はあくまでも子ども達。元日本代表の3コーチは考える材料ときっかけを与えるサポート役に徹する。

チームトークで子ども達が自ら課題を解決「コーチが答えを与えることはありません」

 例えば、テーマに「見つける」を掲げ、トライする代わりにボールを持ってゴールラインを越えたら点数が入るミニゲームを行った時のことだ。はじめはゴールラインのどこを越えても1点だったが、途中から両端にポイントがアップするボーナスゾーンを設置。見つけたボーナスゾーンに向かってボールを運びたいという意識を持った子ども達に、まずは「そのためにはどうすればいいの?」と問いかける。

「そこで子ども達はチームトークをして、より外にボールを運ぶためには何が必要かを考えるんです。ボールを持った人が横に流れると相手のディフェンスに捕まってしまう。だったら、ボールをパスで繋がなければいけない。そこでパスの練習が必要だと感じたら少し練習をしてからゲームに戻る。目的を達成するために何が必要なのか、僕たちコーチが答えを与えることはありません。子ども達がそれぞれ見つけた意見を伝え、コミュニケーションを取りながら答えを考えていきます」

 ボーナスポイントを取れる位置を変えたり、ボーナスポイントを取れる人を決めたり、少しずつタスクを変えると、子ども達はまた意見を出しあいながら解決方法を探していく。チームトークに時間の制限を設けないのも、BUラグビーアカデミー流。子ども達が活発に意見を出しあっていれば、目安の時間を超えても継続させる。

「例えば、パスが上手く繋がらなかった時、子ども達は『あ?っ!なんで?っ!』って怒るんです。『なんで外にパスを回さないんだよ』『なんで声が聞こえないんだよ』って。そこで僕らコーチは『なんでって怒る前にどうすればよかったの?』と問いかけて、子ども達に『なんで』の解決方法を考えさせるんです。ボールを呼ぶ声を大きくすればいいのか、ラインの間隔を短くすればいいのか。子ども達が考えた方法を試しても上手くいかなかったら、また考える。時間はたっぷりありますからね」

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最終更新:8/3(土) 1:51
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