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“漫才>テレビ”!? 「先が見えない時代」だからこそ挑む13年ぶりの全国ツアー【タカアンドトシ インタビュー・後編】

7/19(金) 23:30配信

ザテレビジョン

タカアンドトシが、実に13年ぶりとなる全国ライブツアー「タカアンドトシ日本全国漫才行脚 ~この漫才が目に入らぬか!?~」を開催。タイトルの通り、タカトシお得意のキレッキレの新作漫才を引っ提げて、7月26日(金)の福岡・ももちパレス 大ホールを皮切りに全国の地方都市で公演を行う。

【写真を見る】「テレビというメディアがダントツに強い時代ではなくなった今だからこそ、漫才を極めていくことが大事」というタカアンドトシ

そこでザテレビジョンでは、タカアンドトシの二人を直撃し、前・後編の2回にわたるロングインタビューを敢行。後編では、結成25周年を迎えたコンビの未来像、現在のテレビについてなど、売れっ子コンビ・タカアンドトシの“お笑い観”や“漫才観”に改めて迫った。

■ 「もっと自由気ままにいこう、別にボケなくたっていいじゃん、って」(タカ)

――結成から25年目を迎えて、お二人が仕事を続ける上で努力されていることはありますか?

タカ:強いて言えば、以前は全てにおいて考えすぎてましたね。仕事の前に、「こうボケなきゃ」とか、いろいろ考えて臨んでましたから。でも、それだと仕事が楽しくないというか。今は、いい意味で考えなくなりました。もっと自由気ままにいこう、別にボケなくたっていいじゃん、って。

トシ:いや、ボケなきゃダメだろ。それ、確実に衰えてるよ(笑)。

タカ:最近、街ブラ番組なんかは特に、僕がボケても編集でカットされることが多くて。それであんまりボケなくなったんですよね。スタジオトークも、最近はやりとりが早すぎて、ついていけないし。

トシ:だから衰えてるんだって!(笑) 僕は、バラエティーの現場は相変わらず好きですけどね。家でもバラエティーはよく見てますし。

タカ:それはすごいね。俺は全く見ないですから。今はもっぱらNHKのBSで、スポーツ中継とかドキュメンタリーを見てます。きれいな景色、猫、あと、火野正平さんの「にっぽん縦断 こころ旅」(NHK BSプレミアム)ね。それから、駅にピアノを置いて、誰が弾いてもいいってやつ(「駅ピアノ」NHK BS1)。

トシ:癒やされたくてしょうがないんだな。少し休めよ(笑)。

■ 「二人で笑わせ合うっていうのが本来の姿。僕はそこに戻りたいんですよ」(タカ)

タカ:お笑い系のバラエティーを見てると、「自分だったらこうボケる」とか「この話の流れ、うまいなぁ」とか、いろいろ考えちゃって疲れるんですよ。根が真面目なんでしょうね。だから、無理してでも自分でオフの時間を作らないと。

――トシさんには、そうした変化はないわけですか。

トシ:そうですね。さすがに昔ほどバラエティー番組は見なくなりましたけど、全然見なくなったわけではないです。

タカ:いや、相方も最近変わりましたよ。今までは、責任感の強さから「自分がツッコまなきゃ」とか「自分がトークを回さなきゃ」という意識に縛られて、ただのツッコミをする人、ツッコミ係みたいになっちゃって、自由度がなかったんですけど、最近は逆に、自分からボケに行ったりして。仕事を楽しみだしたんですよ。

トシ:いや、そりゃあね、肩の力を抜くことは覚えましたけど。

タカ:芸人になり始めてるってことだよ。

トシ:えっ、25年目にして?(笑)

タカ:うん。中学校で出会ったばっかりの頃、お泊まり会をしたりすると、俺がボケたら、相方もボケる、みたいな感じだったんですけど、その中学時代に戻りかけてるというか。つまり、コンビとして究極の形になってきてるんですよ。

トシ:…何様?(笑)

タカ:昔の相方は俺を笑わすため、俺は相方を笑わすために、二人だけの楽しいお泊まり会をしていたわけですよ。それが大人になって、たくさんの人を笑わせなきゃいけないことになって。でも、あくまで元々は、二人で笑わせ合うっていうのが本来の姿ですからね。僕はそこに戻りたいんですよ。俺が相方を笑わせてるところを、みんなが見て笑ってくれる、という。今度のツアーでも、アドリブもバンバン入れて、相方が腹抱えてツッコめないくらいに笑かしてやろうと思ってますから。

トシ:考えてみると、こいつは今まで「俺だけを見てツッコめ!」とか、「一個たりとも俺のボケを見逃すなよ!」っていうスタンスだったんですけど、最近そこらへんがフワッとなってきてるんですよね。だから僕も余裕が出てきて、それで自分もボケるようになったのかもしれないです。要するに、こいつの出方次第なんですよね。

タカ:言いたいことは分かるけど、「こいつ」「こいつ」って…。

トシ:フワッとはなってきてるけど、プライドは高くなったみたいです(笑)。

■ 「テレビのコントって、番組として続けていく中で面白い形ができていくのかなと」(トシ)

――お二人は近年、街ブラ番組やクイズ番組にレギュラー出演されていますが、例えばコント番組に挑戦してみたいといった意欲はありますか?

タカ:それはずっとあったんですけどねぇ…。僕らはやっぱり、ドリフ(ザ・ドリフターズ)の番組とか、「オレたちひょうきん族」(1981~1989年、フジテレビ系)とかから始まって、「みなさん」(「とんねるずのみなさんのおかげです」1988~1997年、「とんねるずのみなさんのおかげでした」1997~2018年、ともにフジテレビ系)、「ごっつ」(「ダウンタウンのごっつええ感じ」1991~1997年、フジテレビ系)を見て育ってきた人間ですから、コント番組は本当に憧れなんです。だけど今、ゴールデンでコントをやってる番組って、志村(けん)さんの特番くらいですからね。

トシ:一度、こいつと次長課長の河本(準一)さんと2人で、プロレスラーの控室っていう設定のコントをやったんですよ。稽古のときから「なげえなぁ」って思ってたんですけど、本番も延々と30分近くやって。それでも一向に面白くならないっていう(笑)。

タカ:ハハハ。全然ダメでした。

トシ:そのとき思ったのは、テレビのコントって、たまにやったところで面白いものはできないんだなって。週1回なり番組として続けていく中で、面白い形ができていくのかなと。やっぱりハードルが高くて難しいですよ、コント番組は。

――レギュラー出演中の「有吉ぃぃeeeee!~そうだ!今からお前んチでゲームしない?」(テレビ東京系)では、毎回爆笑必至の掛け合いを繰り広げていますが、お二人にとっては、コントと比べると、フリートークの方が難しくないわけですね。

トシ:慣れてるだけかもしれませんけどね。僕らはロケの番組が多いんで。芸人さんたちとブラブラして、ワーワーやるっていうのが。

タカ:だから、長年テレビでコントをやってきた先輩方は本当にすごいなって、ただただ尊敬します。

トシ:うん。笑いに対して、明確な自分の考え方を持ってないといけないんでしょうね。

■ 「テレビの仕事がなくなったら、それはもうしょうがない。でも、『漫才が面白くない』と言われたら相当こたえます」(トシ)

――テレビの活動も含めて、タカアンドトシの今後の目標をお聞かせください。

タカ:テレビというメディアがダントツに強い時代ではなくなって、SNSとかネットの番組も増えて。これからどうなるのか、正直、僕たちにも分からないです。芸人が活躍できるメディアがもしテレビしかなかったら、僕らもけっこう安心していられるのかもしれませんけどね。そう考えると、先が見えないからこそ、漫才をしっかり極めていくことが大事なのかなと思ったりして。

トシ:そうですね。僕らは漫才で世に出てきたんだ、という意識も常にありますし。

タカ:漫才という武器があれば、たとえテレビに出られなくなったとしても、飯は食っていけるんじゃないかなと思うんで。今回、久々にツアーをやろうと思ったのも、漫才の腕をちゃんと磨いておかないと、っていう思いもあるんですよね。

トシ:僕らがもし、テレビの仕事がなくなったら、時代の流れとかもあるだろうし、それはもうしょうがないと思うんです。でも、「あいつらの漫才は面白くないな」って言われたら、相当こたえますね。やっぱり最終的には「タカトシは漫才やってるときが一番面白い」って言われるコンビでいたいです。

――キャリアを重ねていくと、笑いに対するモチベーションやパワーを維持するのが難しくなってきませんか?

タカ:そこですよね。北海道の田舎の中学生が、日本一のコメディアンになるんだって夢を抱いて、ずっとネタを作っていた、あの頃のパワー…どこ行っちゃったんだろ(笑)。最近、全然奮い立たなくて。

トシ:それはダメだろうが。奮い立ったからこその今回のツアーだろ?

タカ:満足しちゃったのかなぁ…。

トシ:やめろって! おそらく、年齢的なこともあると思うんですよ。ロケが始まるギリギリまで、「今日どうしよう、テンション上がらない、やべぇな」って思うことも、そりゃありますよ。でも、カメラが回り始めたら、ちゃんとエンジンが掛かりますから。

タカ:結局、何を目的に頑張るかってことですよね。そのへんのモチベーションって、40歳を超えると難しくて。昔ほど明確な目標がないから。だからあとは、お金じゃないですかね。これからは「お金持ちになる」を目標に…

トシ:やめろ!(笑)

――その目標は既に達成されているのでは…?

タカ:全然ですよー。食事に行くときも、「この店は高そうだからやめとこう」とか、後輩を連れて飲みに行くときも「先に牛丼食べとくか」とか…。

トシ:夢がねえな(笑)。

――では最後に、今回のツアーへ足を運ぼうとしている全国のファンの方々にメッセージをお願いします。

トシ:「最近笑ってないな」という方はぜひ、「ちょっとタカトシ見てやるか」くらいの気軽な感じでお越しください。きっと楽しい漫才ライブになると思いますんで。

タカ:小さいお子さんが騒いでも大丈夫ですので、ご家族で来ていただけたらうれしいです。いろんな年齢層の方に来てもらいたいですね。

(ザテレビジョン)

最終更新:7/19(金) 23:30
ザテレビジョン

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