ここから本文です

かんぽ生命が「不適切な保険販売」に走ったわけ

7/19(金) 5:40配信

東洋経済オンライン

 「ありえない」「考えられない」。7月10日に開催されたかんぽ生命と日本郵便の記者会見をネットの生中継で見ていた生命保険業界の関係者から、口々にそうした声が上がった。

この記事の写真を見る

 「われわれも、不利益を与える契約の転換や保険金の支払い漏れなどの問題を引き起こしたが、十分に反省し顧客目線での改革に取り組んできた。そうした教訓が生きていないのか」。ある国内生保の広報担当者はそう言ってため息をついた。

■かんぽ生命は過剰な契約乗り換えに走った

 保険契約の無保険状態や二重契約など、かんぽ生命とその販売を受託している日本郵便による不適切な保険販売が次々と白日の下にさらされている。現在、公表されている多くの問題は、既存の契約者がすでに加入している保険を解約し、新しい保険や特約に入りなおす「契約乗り換え」に関するものがほとんどだ。

 ではなぜ、両社は過剰な契約乗り換えに走ったのか。

 かんぽ生命は近年、保障性商品の開発・販売に力を入れている。保障性商品とは、従来の主力商品だった学資保険や養老保険などの貯蓄性商品とは異なり、万が一の死亡や入院・手術などに備えた保険商品を指す。保障を重視しているため、解約時の返戻金がなかったり、あっても貯蓄性商品よりも少ない。

 かんぽが保障性商品に力を入れているのは、日本銀行によるマイナス金利政策の導入に伴って市場金利が低下し、円建ての貯蓄性商品の魅力が薄れているからだ。生保各社は相次いで販売停止に追い込まれ、かんぽも保障性商品に大きく舵を切った。かんぽの2014~2016年度の新契約件数に占める保障性商品の割合は2割程度だったが、2018年度には5割近くに上昇した。

 中でも2017年10月に新発売した医療特約の「その日からプラス」(無配当総合医療特約)の発売以降は、終身保険・養老保険に医療特約を付加して販売するスタイルが主流になり、「契約乗り換え件数が倍増した」(かんぽ生命募集管理統括部の平井康幸部長)。長寿化の流れの中で医療保障は顧客ニーズも高く、収益性の高い第三分野商品の販売は、貯蓄性商品の落ち込みをカバーするためにも必要不可欠だった。

1/4ページ

最終更新:7/19(金) 5:40
東洋経済オンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事