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親の「あなたのため」が子供を追いつめる。教育虐待の壮絶

7/19(金) 16:01配信

女子SPA!

 2016年に名古屋市北区のマンションで小学6年の長男(当時12歳)を包丁で刺殺したとして、殺人罪に問われた父親に懲役13年の実刑判決が19日名古屋地裁で言い渡されました。

 父親は、自身が通った名古屋トップの難関私立中への進学を目指して勉強させようと長男を「暴力や脅しなど恐怖で支配した」ことが公判を通じて明らかになりました。

 このような事件を「学歴社会のゆがみ」や「偏差値偏重主義」と、“特異な事件”あつかいしてしまうことへの疑問を呈しているのが、育児・教育ジャーナリストのおおたとしまささんです。

 新著『ルポ教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の中で、おおたさんは「『教育虐待』とは、『あなたのため』という大義名分のもとに親が子に行ういきすぎた『しつけ』や『教育』のことである」として、「何かがちょっとだけ違えば、自分も追いつめられる子どもになっていたかもしれないし、自分が追いつめる親になっていたかもしれない」と警鐘を鳴らしています。

 追いつめる毒親と苦しむ子どもたちの凄絶な事例の描写と、彼らがそういった状況に陥(おちい)ってしまう原因である社会や教育文化への構造分析がなされたこの本を、自身も「教育虐待」を受けたと感じている古川諭香さんが読み解きます。(以下、古川諭香さんの寄稿)

「あなたのため」で“理想どおりの娘”にしようとした母の執念

「あなたのために言ってるの」――遠い学生時代、母からむけられたこの言葉に強い嫌悪感を抱いた自分がいました。自らの願望を「子どものため」という綺麗ごとで包み込み、“理想どおりの娘”にしようとしていたあの頃の母の執念を指して、それとは言えなかった息苦しさを、筆者は生涯忘れることはないでしょう。

『ルポ教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち』(おおたとしまさ/ディスカヴァー・トゥエンティワン)を手に取ると、そんな古い記憶が心に蘇(よみがえ)り、同じような生きづらさを抱いてきた人たちがいることに胸が熱くなります。

 虐待というと、暴力のような目に見えやすいものや精神的・性的虐待、ネグレクトのような明るみになりにくいものを想像する方も多いはず。しかし、それとは別に「あなたのため」という親心がエスカレートし、スパルタ教育や厳しすぎるしつけによる「教育虐待」が引き起こされてしまうこともあります。

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最終更新:7/19(金) 20:20
女子SPA!

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