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<解説>欧州で21万年前のホモ・サピエンスを発見、アフリカ以外で最古、異論も百出

7/20(土) 9:10配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

年代と種の特定で議論

 先日、ギリシャ南部の洞窟で見つかった頭骨が、21万年以上前の現生人類(ホモ・サピエンス)のものであるとする論文が発表されて話題になった。アフリカ大陸以外で発見されたものとしては、最古の骨だ。この論文は7月10日付で学術誌「ネイチャー」に掲載された。

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 これがもし確実なら、現代人と解剖学的に同じ人々が、最初にアフリカを出た経緯を解明する手がかりになるだろう。しかし、新たな証拠の信頼性に疑問を持つ専門家もいる。

「この頭骨がサピエンスの系統に属していると示すものを、私は何1つ見つけられません」と話すのは、スペイン、マドリード大学の古人類学者フアン・ルイス・アルスアガ氏だ。アルスアガ氏は、2017年にこの洞窟の近くにあった別の頭骨を分析した結果、全てネアンデルタール人のもので、少なくとも16万年前のものである可能性が高いと結論付けた。

「心の底から驚きました」。最新の論文について、アルスアガ氏はそう語った。

古い発見に最新の技術を応用

 問題の頭骨が発見されたのは、1970年代後半だった。場所はギリシャ、ペロポネソス半島のアレオポリという町の外にあるアピディマ洞窟である。その壁から、2つの頭骨の一部が突き出ている状態で見つかったため、それぞれ「アピディマ1」「アピディマ2」と名付けられた。

 ところが、化石を分析しようとしたところ、いくつかの問題にぶち当たった。まず、頭骨が岩に閉じ込められていたのだ。1900年代後半と2000年代前半になって、それぞれの破片を取り出せたものの、正体は依然として不明のままだった。

 第1の頭骨のアピディマ1は、ほぼ完全な状態だったが、長いこと岩に閉じ込められていたために歪んでしまっていた。過去の分析では、ネアンデルタール人のものと結論付けられていた。これには、最新の論文も同意している。

 一方、第2の頭骨は、大人の手のひらより少しだけ大きな破片がたった1個だけで、第1の頭骨と同じ岩の中に数センチだけ離れて閉じ込められていた。そのため、アピディマ1と同じ種であり、同じ時代のものだと当初考えられていた。

 ギリシャ、アテネ大学人類学博物館の科学者らは、ドイツ、エバーハルト・カール大学テュービンゲン校のカテリーナ・ハーバティ氏にこの化石の分析に興味はないかと打診した。ハーバティ氏は、最新技術を化石の分析に応用できる機会であると考え、快諾した。氏は、今回の論文の筆頭著者だ。

 ハーバティ氏の研究チームは化石をCTスキャンにかけ、先入観を避けるために、2人の研究員がそれぞれ異なる手順に従ってコンピューター上で頭骨を復元した。そして、それらを既知のホモ・サピエンスやネアンデルタール人の頭骨、そして、種は特定されていないがユーラシア大陸とアフリカ大陸で発見された、およそ78万~12万5000年前の更新世中期の頭骨と比較してみた。

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