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「デキる」人材は、問題の解決より発見する力 時代を制する「ニュータイプ」とは

7/20(土) 6:20配信

NIKKEI STYLE

山口周『ニュータイプの時代』

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。10連休で鈍っていた新刊発行点数もかなり上向いてきて、ビジネス書の売り場も少しずつ活気が戻っている。そんな中、書店員が注目するのは、2018年に『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』で注目された著者による、これからの時代に求められる思考・行動様式を説いた一冊だった。

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行動様式のアップデート促す

その本は山口周『ニュータイプの時代』(ダイヤモンド社)。山口氏はボストン・コンサルティング・グループなどで戦略策定や組織開発などに従事し、今は独立研究者・著述家を名乗る。時代に求められるものが「論理とサイエンス」から「美意識とアート」へとシフトしていることを主張した新書『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』が大きな話題になった。そこで展開した主張を24の思考・行動様式として具体的に書き出したのが本書。思考法から働き方、学び方、生き方にいたるまで、これからの時代を生き抜く人に刺激的なアップデートを促す本になっている。

20世紀後半から21世紀初頭にかけて高く評価されてきた「従順で、論理的で、勤勉で、責任感の強い、いわゆる『優秀な人材』は、今後『オールドタイプ』として急速に価値を失っていくことになるでしょう」という「はじめに」の一文からして十分刺激的だ。一方、これに対置されるのが「自由で、直感的で、わがままで、好奇心の強い人材」が書名にもなっている「ニュータイプ」だ。

意味を見いだしにくい時代の人材の価値とは

本書はまず、オールドタイプからニュータイプへのシフトを促す変化の構造を分析、ほぼありとあらゆるものを手に入れられる現代は生きる意味を見いだしにくい時代であり、それゆえに意味を与えることができる人材こそが新しい価値を生み出していくと指摘する。

そしてこの「問題を解くより『発見』して提案する」という行動様式に始まって、価値創造の仕方や競争戦略、思考法などニュータイプの行動様式を一つ一つオールドタイプと対置しながら書き上げていく。

「予測するのではなく構想する」「生産性を上げるのではなく遊びを盛り込む」「一つの組織にとどまるのではなく組織間を越境する」「奪い、独占するのではなく与え、共有する」……こんな対比で語られていくニュータイプの思考・行動様式は、オールドタイプの行動様式が支配的な組織で閉塞感を感じているビジネスパーソンに多くの示唆を与えてくれるはずだ。

「ビジネススキルという目の前の課題に対処する本より、考え方や思考法、心の持ちようなどを説く本が最近売れている印象がある。その中でもよく売れている一冊」とビジネス書を担当する本店マネジャーの川原敏治さんは話す。

(水柿武志)

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最終更新:7/20(土) 6:20
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