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アポロ11号の忘れられた宇宙飛行士、マイケル・コリンズ

7/20(土) 21:42配信

エスクァイア

アポロ11号の3人目の宇宙飛行士であったマイケル・コリンズ氏(当時、空軍准将)は、同僚たちが月面を歩いていたときにはたった1人で、司令船「コロンビア」号で月周回軌道を飛行していました。そしておよそ21時間半後、月面着陸気味を乗せた「イーグル」号のアームストロング氏とオルドリン氏と再会をはたしました。

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 1969年7月20日午後1時46分、ニール・アームストロング氏とバズ・オルドリン氏はアポロ11号の司令船「コロンビア」号から月着陸船「イーグル」号を切り離しました。そしてマイケル・コリンズ氏は司令船に残ってロケットを噴射し、同僚たちから約3.2km、地球の人類から約40万km離れた場所へと移動しました。

 コリンズ氏は、同僚たちの着陸船がどんどん小さくなる様子を見ながら、「みんな、僕に話しかけ続けてくれ」と無線で呼びかけたと言います。 
 
 午後3時8分、アームストロング氏とオルドリン氏は何のためらいもなく「イーグル」号の降下エンジンを噴射し、月への着陸に備えました。そしてコリンズ氏はたった1人、彼らがチョークのように白亜の月面に降下する様子を見ていました。

>このときの彼は、絶対的かつ完全に孤独だったのです。 

 そして彼は、テキサス州ヒューストンにあるジョンソン宇宙センター内ミッション管制センターへ、降下の第一報を無線で伝えます…「何もかも順調で、申し分ない」と添えながら。

午後10時56分、アームストロング氏は月面に左足を踏み出し、大気圏外の場所に足を踏み入れた最初の人類となりました。オルドリン氏は着陸船から写真を撮影し、自らも月面歩行を実施。そして1時間後、2人が月面に米国旗を立てると、当時の大統領であるリチャード・ニクソンがミッション管制センターを通じて彼らに電話をかけ、「やあ、ニールとバズ。ホワイトハウスの大統領執務室からかけています。これは間違いなくこれまでかけられた中でも、最も歴史的な通話です。すべてのアメリカ人にとって、今日は人生でもっとも誇るべき日となるでしょう」と話しました。 
 
 同僚たちが大統領と話していたとき、コリンズ氏は1人司令船の中に座り、月の周囲を回っていました。この宇宙船が月の裏側を通過していた47分間、ミッション管制センターとのあらゆる無線通信は途絶えていました。彼はかつてないほど孤独だったのです。アームストロング氏が「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」という伝説的名言を残したとき、コリンズ氏はこれを聞き逃しました。 
 
「私は今ひとりです。本当にひとりぼっちです。あらゆる既知の生命から絶対的に隔離されています。数を数えてみるなら、月の向こう側には30億人プラス2人、こちら側には1人プラス神のみぞ知るというところでしょう」とコリンズ氏は後に書いています。 
 
 また、このミッションログのメモには、「誰もマイケル・コリンズほどの孤独を知ることはなかった」と記されています。

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最終更新:7/26(金) 11:44
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