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7月20日「ハンバーガーの日」は常識を変える「イノベーション記念日」でもあった

7/20(土) 10:00配信

BEST TIMES

7月20日は何の日か知っていますか? 

 正解は「ハンバーガーの日」です。
 ではなぜ、7月20日がハンバーガーの日なのか…? 
 それは、今から48年前にあたる1971(昭和46)年の今日、日本最初のマクドナルドが銀座の地にオープンしたことに起因します。

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1971年7月20日、日本マクドナルド銀座1号店がオープンした。写真中央はマクドナルド創業者のレイ・クロック氏。その右が日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじたでん)さん。

 この日から「米と魚」が主流だった日本人の食生活に「パンと肉」、つまりアメリカ流の食事方法が食い込み、一気呵成に、日本中へ伝播するごとく「食文化」が変わっていったのです。
 今では当たり前になったハンバーガーが、日本食の一部になった日…、それは私たちの常識が変わった日としても、記憶に刻まれるべき記念日となりました。

 ところで、もはや「和食」となったハンバーガーですが、いったい誰がアメリカから持ってきたのでしょうか? もっと具体的に言えば、誰が事業として「産業化」したのでしょうか? 

 それは、日本マクドナルドの創業社長であり「銀座のユダヤ人」とも呼ばれた藤田田さん(※以下「田さん」と表記)です。

 そして、田さんと言えば『ユダヤの商法』。
 これは田さんが東大在学中に進駐軍(GHQ)で通訳のアルバイトをしていた頃、ユダヤ人の下士官から学んだ「お金の稼ぎ方」に関する97個の法則について書かれた本です。

 

約半世紀にわたって売れている『ユダヤの商法』

 今年4月12日、47年ぶりに日本マクドナルド創業者である田さんの『ユダヤの商法』(新装版)が復刊されました。同書は1972(昭和47)年5月に初版、現在までに総計281刷89万7000部の増刷を重ねた大ベストセラーです。

 復刊から3か月。ネットを中心に口コミで話題が広がり、amazonの「本総合カテゴリ」で第1位(4月13日)を獲得。すでに5万部を突破し、電子書籍版も約6000部のセールスを記録するなど、時代を越えて多くの方に読まれています。

 それにしても、「大正」の最後の年に生まれ「昭和」に活躍した田さんの『ユダヤの商法』が、「平成」が終わり「令和」がはじまった今、なぜ売れているのでしょうか? 

 50代以上の人たちならば「リアル田さん」をイメージすることはできますが、今の30代以下の世代にとっては、「ソフトバンク」創業者の孫正義さんや、「ユニクロ」会長兼社長の柳井正さんがなど日本を代表する経営者が本書を若い時に読み、影響を受けたことを通じてその偉大さを気づかれることが多いかもしれません。

 では、田さんの偉大さとはなんだったのでしょうか? 

 それは、本書を読めばわかると思いますが、一言で言えば「商売」で必要となる知恵が描かれていることでしょう。
 特に「常識を疑い尽くすことで見えてくるビジネスチャンス」を「数字」として把握する「頭の使い方」を、「大阪弁」とわかりやすい「実例」でコーチングしてくれるところが偉大なのだと思います。

 例えば「女を狙え」「口を狙え」など、今でも通用する商売の鉄則が短い文章でマシンガンのように畳み掛けてくる。これが多くの読者から「面白い」と言われるゆえんです。

 

なぜ、ハンバーガーだったのか!? 

 田さんはなぜ、日本でハンバーガーが流行ると思ったのか? 

 それは「口を狙え」の法則通り「口に入れるものは必ず消化され、排出される」からであり、ゆえに「儲かる」という“合理的”判断に基づきます。
 しかし、その合理的な思考を続ける田さんはこんなにも「非合理な思い」で動かされていることにも着目してほしいと思うのです。

日本人は蛋白質のとり方が少ない。だから背は低いし、体力がない。国際的な競争に打ち勝つには、まず、体力から作らなければならない。私がハンバーガーに手を出したのも、日本人の体質を変えようと思ったからでもある。日本人が肉とパンとイモのハンバーガーを、これから1000年ほど食べ続けるならば、日本人も、色白の金髪人間になるはずだ。私は、ハンバーガーで日本人を金髪に改造するのだ。(『新装版 ユダヤの商法』39ページ)

「ハンバーガーを1000年食べさせて日本人を金髪に改造する」という舶来コンプレックスが田さんを「ハンバーガー」ビジネスに動かした理由でもあった(イラスト/小迎裕美子)

  田さんの極めて合理的なビジネス理論の根っこには、日本人の西洋人に対する「コンプレックス」という非合理な思いが存在するのです。

 それが日本人の食生活を一気に変えた契機になっていること。ハンバーガーに酔いしれた私たち日本人のどこかにある「西洋への負い目」。そうしたものをまるごと食べることでどこか、対等であることを意識したのかもしれません。

 田さんは多くの先輩、友を戦争で失いました。敗戦と向き合ったこと、どうしたら世界で勝てるかについて真剣に考えたこと。そうしたコンプレックスがバネとなり、ビジネスを立ち上げ、日本の食生活に革命的イノベーションを起こしたという「側面」もあったのでしょう。

 こうしたエピソードが、ハンバーガーにつながっているところが非常に興味深く、また読者も共感できるのではないでしょうか。

 

 

文/藤田 田

最終更新:7/20(土) 10:00
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