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キレる上司が「害悪」でしかない科学的根拠

7/20(土) 6:30配信

東洋経済オンライン

「職場の無礼さ」の研究に20年を捧げた著者の集大成となる『Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』が刊行された。

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無礼な人が他人や会社に与える数々のコストを可視化している本書の中でも、インパクトの大きい費用について、抜粋、編集のうえお届けする。

■職場に1人はいる無礼な上司

 社会人経験が長い人なら、こんな上司に出くわしたことがあるかもしれない。

・部下を人前であざける、軽く扱う。

・部下の仕事ぶりをつねに過小評価し、部下の地位は低いと思い込ませる。
・部下を心が傷つくほどひどくからかう。
・成功したときの手柄は自分のもの。でも問題が生じたら他人のせい。
 ほかにも、まだ会話の途中なのに自分が興味を持てないからといってその場から立ち去る、会議中なのに電話に出る、といった行為も、無礼な言動の例だ。

 こうした無礼な態度は人の健康にも大きな悪影響を及ぼすことが、最近の科学的研究によって明らかになってきた。

 まず、無礼な態度は、人の免疫システムを害することがある。そのせいで循環器系の病気、がん、糖尿病、潰瘍などにかかるおそれがある。

 テルアビブ大学のアリー・シロムらは、金融機関や工場、医療機関など、さまざまな職場で働く820人の大人を20年にわたって追跡調査した。

 シロム教授らは、被験者となった人たちに、職場の環境は、上司の態度はどうか、同僚は友好的に接してくれるかなど、同じ質問を何度も繰り返し、同時に全員の健康状態の変化を詳しく監視し続けた。

 勤務時間の長さ、仕事の負荷、与えられている権限、裁量の大きさなどは、直接、寿命の長さには影響していなかった。重要だったのは、共に働く人たちの態度が協力的、友好的かどうかだった。

 また、職場に友好的でない人がいると、死亡リスクが高まることもわかった。例えば、中年と呼べる年齢の会社員の場合、同僚が友好的でない人は、友好的な人に比べ調査期間だけで約2.4倍の人数が死亡している。

 職場に無礼な人がいると、そこで働く人たちの心の健康にも悪影響があることが、調査によって明らかになっている。当然、ストレスにはほかの要因もあるし、私生活で無礼な人に会うこともあるので、そのストレスの影響もあるだろう。

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最終更新:7/20(土) 10:32
東洋経済オンライン

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