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352億円で会社を売却した起業家が次に目指すもの

7/21(日) 12:11配信

Wedge

 NTTを1年で退社後、Microsoft社でWindows95を完成させたソフトウエアエンジニアの中島聡氏。2019年5月にアメリカで、自らが創立した会社「Xevo」を3億2000万ドル(約352億円)で売却すると同時に取締役会長を退いた。再び自由を手にして彼が、次に起こすアクションは何か。米国、日本、中国のITの行方を中島聡がエンジニアの視点から語る。

日本企業がダメになった理由

Q 日本企業のつまずきの原因はどこにあったのか?

中島 日本企業はなぜダメになったのか。それはITの導入の遅れです。例えば書店を例に考えてみましょう。リアルな店舗に対して、Amazonがネットに書店を作りました。ネット書店は実際に本にさわれないなどマイナス面もありますが、品揃えが充実していて、安価で、すぐに配送してくれるなどのプラス面も沢山あります。

 書店に本を買いに行くよりも、Amazonに注文した方が早く届くという逆転現象が起こって、書店はIT企業に仕事を奪われてしまいました。それと同じようにDVDで販売されていた映像コンテンツは、NetflixやAmazonのストリーミング配信に取って代わられようとしています。音楽コンテンツもサブスクプションのストリーミング配信にも起こっています。

 これらのことは、自動車でも、銀行でも、医療でも、全ての業種におこることだと思っています。医療は専門家の医師がいますが、彼らの仕事の多くが、これから10年、20年かけてIT化されていくことは間違いありません。それに乗り遅れた会社は生き残れません。つまり、どんな企業もIT化が必要なのです。

 日本ではUberの導入が遅れていますが、これも自動運転が実現すればガラッと替わってくるでしょう。アメリカの場合はUberが来てから自動運転という2つのフェーズに分かれていますが、日本の場合は一気に自動運転タクシーの時代が来て、既存のタクシー会社は、このままではそれに対抗できないと思います。

 自動運転の実現には、政治的な解決、技術的な解決、そして誰がそれを安く提供できるのかが問題になってきます。提供するのは既存のタクシー会社になるかもしれないし、UberかGoogleかもしれない。当然、NTTドコモ、SoftBankなどの通信会社も狙っていると思います。

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最終更新:7/21(日) 12:11
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