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プレミアで再起を期する元神童。「内なる悪魔」を追い出せるか

7/21(日) 21:02配信

footballista

元ユナイテッドの神童、イングランドに帰還

 “神童”と呼ばれながら消えていった選手は少なくない。だが、ウェイン・ルーニーやポール・ポグバを超える逸材と称えられながら消えかけた男は、彼以外に思い当たらない。その選手こそ、今夏シェフィールド・ユナイテッドに加入した26歳のMFラベル・モリソンである。

 モリソンはマンチェスター生まれで、マンチェスター・ユナイテッドの下部組織出身。あのアレックス・ファーガソンが太鼓判を押した才能であった。ユナイテッドを率いていたファーガソンはあるとき、当時のトップチームの主力だったリオ・ファーディナンドやルーニーを呼び出し、「この少年を見てみろ」とモリソンについて語ったという。「若い頃のルーニーやライアン・ギグスよりも上だ。これ以上の少年は現れないだろうね」と。ユナイテッドの関係者の中には、彼を「ジョージ・ベスト以来の才能」と絶賛する者もいたという。

 元ユナイテッドのギャリー・ネビルも、その才能に魅せられた1人だ。当時のユナイテッドのユースチームは粒ぞろいで、モリソンのほかにポグバやジェシー・リンガード、現在はエバートンで活躍するDFマイケル・キーンなどもいた。だがネビルの目に留まったのはモリソンだった。「ポグバも素晴らしいが、本当に試合を変えられるのはモリソンだった」とネビル。「ケタ外れの才能だ。敵を抜き去って信じられないゴールを決めてしまう。ポール・ガスコインのようだった」と。

 しかし、それから8年ほど経ち、当時のチームメートたちが国際舞台で名を轟かせる中、モリソンはスウェーデンのエステシュンドにいた。そして今夏、スウェーデンを離れてイングランドに戻り、シェフィールド・Uの練習に参加し、何とか1年契約にこぎつけた。なぜ彼は、これほどの遠回りをすることになったのか? それはモリソンが持つ「悪魔」のせいだという。

「私が見てきた中で最も才能を無駄にした選手」

 モリソンは“悪い仲間”との縁を切れなかったのだ。彼の仲間がナイフをチラつかせて強盗事件を起こしたことがある。モリソン本人は無関係だったが、彼はその被害者が証言しないように説得しながら脅してしまい、少年院に送られかけた。交際相手とのいざこざで裁判沙汰になったこともあった。ユナイテッドでも、本人は否定しているがチームメートの腕時計を盗んだ疑いをかけられた。さらに彼は、遅刻や無断欠勤の常習犯でもあった。

 ファーガソンは、著書の中でこうつづっている。

「ギグスやクリスティアーノ・ロナウドくらいの才能を持ちながらも、内なる悪魔や幼少期の心の傷に屈してしまう者がいる。最も残念な例がラベル・モリソンだろう。彼は歴代選手の誰にも負けない才能を持ちながら、問題を起こし続けた。2012年に彼をウェストハムへ売るときは私も辛かった」

 その後もモリソンは改心しなかった。ウェストハム時代のチームメートだったケビン・ノーランはBBCラジオにこう話す。

「あるプレシーズンの試合で大活躍し、今季こそ“彼のシーズン”になると思った。試合後、チームバスを降りて『また明日な』と声をかけたが、それから1週間、彼は無断欠勤した……」

 当時のウェストハムを率いていたサム・アラダイス監督は、「私が見てきた中で最も才能を無駄にした選手」と言い放った。結局モリソンは、イングランドを離れてイタリア、メキシコ、スウェーデンを転々とすることに。そして今夏、イングランドに戻ってきたモリソンは、26歳にして“最後のチャンス”とも言われている。

 彼のここまでのキャリアを振り返ると、最も輝いた瞬間は2011年のFAユースカップだろう。モリソンは決勝戦で2得点してユナイテッドを頂点に導いたのだ。おそらく、これは運命なのだろう。その決勝戦の相手こそ、現イングランド代表DFハリー・マグワイアなどを擁したシェフィールド・ユナイテッドだったのだ!

最終更新:7/21(日) 21:02
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