ここから本文です

「世界一の朝食」実は〇〇の残りものだった?|ペルーで愛される「チチャロン」

7/21(日) 9:02配信

サライ.jp

文・写真/原田慶子(海外書き人クラブ/ペルー在住ライター)


2010年にスペインの有力紙が行った投票で、「世界一の朝食」に選ばれた「ペルーのチチャロン」。ラテンアメリカでは肉や魚の揚げ物を総じてチチャロンと呼ぶが、この場合は“豚肉”のみを指す。豚肉から染み出た脂を使ってじっくり揚げたいわゆる素揚げのことで、首都リマではこのチチャロンをスライスしてパンに挟み、「チチャロン・サンド」として食べるのが一般的だ。

リマでは“家族がそろう週末にみんなで楽しむ、ちょっと贅沢な朝食”といった位置づけのチチャロン・サンド。もちろん24時間いつ食べてもいいのだが、朝食の代名詞であることには変わりない。スペインの「ホットチョコレート&チュロス」や、フランスの「コーヒー&クロワッサン」を押しのけての1位とあって、当時は国を挙げてのお祭り騒ぎとなった。今でもその人気は不動、週末のチチャロン屋は家族連れで大いににぎわう。

塩味、甘味、酸味のバランスが完璧!

チチャロン・サンドの魅力は、チチャロンとそのわき役たちが奏でる絶妙なハーモニーにある。じっくりと揚げることで余分な脂が抜けた豚バラ肉は、見た目よりさっぱりした仕上がりで、ジューシーな味わいは残っているのにしつこさはまったくない。塩味が効いたこの主役を脇から支えるのは、ほんのり甘いカモーテ(ペルー産サツマイモ)と、酸味とシャキシャキ感が自慢のサルサ・クリオージャ(紫タマネギのレモン和え)だ。

チチャロン・サンドに使われるのは、パン・フランセスと呼ばれる丸いパン。外はパリッと、中味はふんわりとしたこのパンだからこそ、個性的な3つの食材を上手にまとめることができる。これだけでも完璧なのだが、さらなる刺激が欲しい人はペルー産のトウガラシソースをひと垂らし……。丸ごと豪快にかぶりつけば、もう言葉など不要だ。

スペインが持ち込んだ豚、その意外な目的とは?

チチャロンの材料となる豚を新大陸に持ち込んだのは、ほかならぬスペイン人たちだ。インカ征服の主役フランシスコ・ピサロが、貧しい生活の中で豚の世話を生業にしていたのはよく知られた話である。

1/3ページ

最終更新:7/21(日) 9:58
サライ.jp

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事