ここから本文です

日本の家電メーカーが真似できないティファールの「電気ケトル」のラインナップ

7/21(日) 12:32配信

Wedge

 ティファールの電気ケトルが好調です。とは言っても、電気ケトルに関する出荷統計データーは、存在しません。が、推測する手はあります。それは電気ポットの統計データーがあるからです。

 電気ポットが一番出荷されたのは、1995年の700万台。以降、下がり続け、2015年には300万台まで落ち込みます。理由は、いろいろありますが、一番の理由として挙げられているのが、電気ケトルにその地位を奪われたということです。

 電気ポッドは、湯を沸かし保温します。機能は魔法瓶。かたや、電気ケトルは、湯を沸かすだけ。やかんです。この電気ケトルの雄は、フランスのティファール。2001年に日本で発売を初めて、2018年4月に累計、2000万台。当時、電気ケトルは世帯普及率50%だったそうですから、かなりの家庭でT-falの電気ケトルが使われていると推定されます。

 そして、その勢いは、未だに止まりません。昨年出した温度が指定できる機能が付いたモデルがお茶好きのハートをドギュン。このご時世ですが、前年比約 6%の売り上げ増だそうです。

 そして今年発売されました丸洗いできる「ウォッシャブル」。きれい好きな日本人の好みにドンピシャ。本当に、勢いが止まりそうもありません。

 この2機種、魅力的でもあるのですが、私が感心しているのはラインナップの作り方。日本メーカーがよく使う垂直・ピラミット型ではなく、水平型のラインナップなのです。

フラッグシップから機能を差し引いて作る日本の家電メーカー

 日本の家電メーカーの多くは、フラッグシップモデルで発表会をします。いわゆる機能「全部入り」です。それはメーカーの考え方、技術が全部入っており、自社を分かってもらえる製品だからです。メディアに世に広めてもらうにも、とても楽です。

 そして、その年の家電のラインナップは、そのフラッグシップから一つ一つ機能を除いてつくって行きます。日本の場合は、毎年のようにモデルチェンジしますので、ある意味手をかけずに作ることも必要です。このためでしょうか、日本メーカーの低価格帯の商品は、あまり魅力がありません。少なくとも「これは」という感じはないです。

 魅力が減って行くわけですから、多くのメディアは下位モデルを上手く紹介できません。

 しかし、それでは困りますよね。お金は余り出せないけど、そのカテゴリーの製品が必要な人は多くいます。何を買って良いのか分かりません。これでは市場は活性化しません。

 ところが、そんなカテゴリーを実にうまく作るメーカーがあります。フランスのグループセブ社。ブランド名で言うと「ティファール」。取手が取れる鍋ですこぶる有名ですが、小物家電も得意。ティファールの「電気ケトル」は、実に巧みにラインナップされています。

1/4ページ

最終更新:7/21(日) 12:32
Wedge

記事提供社からのご案内(外部サイト)

月刊Wedge

株式会社ウェッジ

2019年9月号
8月20日発売

定価540円(税込)

■特集「看取り」クライシス―多死社会が待ち受ける現実
■信用スコア 利便性の先に潜む「落とし穴」
■世界通貨を目指す「リブラ」構想の限界

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事